
作品紹介
『THE FIRST SLAM DUNK』は2022年に公開されたアニメーション映画となっています。
原作が最終回を迎えてから実に26年半を経ての映画公開となっており、原作者である井上雄彦さんが監督と脚本を務めています。
プロローグ
いつも余裕をかましながら
https://slamdunk-movie.jp/about/prologue/
頭脳的なプレート電光石火のスピードで相手を翻弄する
湘北の切り込み隊長、ポイントガード・宮城リョータ。
沖縄で生まれ育ったリョータには3つ上の兄がいた。
幼い頃から地元で有名な選手だった兄の背中を追うように
リョータもバスケにのめり込む。
高校2年生になったリョータは、
湘北高校バスケ部で、桜木、流川、赤木、三井達とインターハイに出場。
今まさに王者、山王工業に挑もうとしていた。
『SLAM DUNK』のアニメ映画
久々となるブログ更新。
色々と忙しく、なかなか書くことができていなかったのですが、パソコンを買い替えたこときかっけに再開しようかなと。
まずはこの作品の感想。
昨年の12月に公開された『THE FIRST SLAM DUNK』。
『SLAM DUNK』は原作もかなりの大ファンで、公開された後、すぐに観に行きました。
この作品は、内容に関する宣伝や広告のようなことがほとんど行われていなくて、事前情報はほとんどありませんでした。
井上雄彦さんのTwitterに時たま、映画作ってますというようなコメントが出てたりしてたんで、作ってるんだなーとか思いながらも、タイトルが公表されるのすら公開直前だったと思います。
原作のどこかをやるのか、それとも全くのオリジナルストーリーとなっているのか、それすらも分からず劇場で観ました。
原作とオリジナルと
果たしてどんな内容なんだろう、、、と思いながら見始めると、この作品は二つの物語が並行して語られるものとなっていました。
一つは原作のクライマックスともなっているインターハイでの山王工業との試合。
もう一つはオリジナルストーリーとなっている宮城リョータの物語。
原作通りの部分とオリジナルな部分とを並行して語るという構成です。
観終えた感想としては、、、、とにかくめちゃくちゃ面白い!です。
原作でもかなり熱かった山王戦、これだけでもめっちゃ熱いのに、それに関連する形で宮城リョータの話が描かれていて、本当に面白い。
宮城リョータの物語は、井上雄彦さんの『ピアス』という短編が元となっていて、沖縄での宮城リョータと兄の話が描かれます。
対山王工業戦
一つの物語は、原作でもクライマックスに描かれているインターハイでの山王工業との試合です。
こちらはほぼほぼ原作通りとなっていて、というか作画も含めて凄まじい”原作通り感”となっています。
漫画の中にいるキャラクターがそのまま動いているという感じのアニメーションになっていて、感動すら覚えるほどです。
そして、バスケシーンの描き方も本当にうまく作られていて、全く違和感がないです。
本当のバスケの試合も見たことあるのですが、現実の試合と見比べても遜色ないほどのバスケシーン。
これは本当にすごい、、、
原作通りとなっているので、結果がわかっていると言えばそうなのですが、それでも改めて見ても面白い試合となっています。
宮城リョータの過去編
もう一つ並行して描かれるのが宮城リョータの過去編です。
この作品の主人公は桜木花道という人物なのですが、なぜ宮城の話を?と思う人もいるかもしれません。
でも、個人的にはこの話は物凄く感動してしまいましたし、本編とも言える山王工業戦をより熱く見れる要素となっています。
この映画だけをみるならば主人公は間違いなく宮城リョータとなっています。
井上雄彦さんの中で、描き込みが少ないと感じていたキャラクターが彼だったのかもしれません。
確かに、原作を思い返してみると彼のパーソナリティ形成の部分や、過去の葛藤のような部分はほとんどなかったな、、、と思います。
兄と弟という関係性
宮城の過去編では、兄のソータという人物との関係性がメインで描かれます。
自分にも兄がいて、この弟が兄に抱く微妙な感情だったりという部分はとても共感できました。
兄弟というのはその兄弟にしかない物語というものがおそらくあって、それは本人達にしか本質的には分からないものなのかもしれません。
でも、兄弟の関係性というものはこういう創作物における物語性が高い要素なんだなと改めて思いました。
ナルトのサスケとイタチの関係を思い出したりもしましたし、自分と重ねて見てしまう部分もありました。
ただ、なぜ主人公となるのは弟の場合が多いのだろう、、、。
兄は弟を引き上げるトリガーのような役割となることが多い気が。
とにかく観て欲しい!
この作品を見た感想としては、原作を読んでいるかどうかに関わらず、とにかく観て欲しい!というのが正直なところです。
もちろん原作を読んでいて、登場人物達のことをもっと知っている方が深く味わえるのは間違いないのですが、そうでなくとも、もっと言えばバスケを知らなくとも楽しめる映画だと個人的には思います。
一番熱かったシーンは沖縄を訪れた宮城が号泣し、何かのスイッチが入ったかのようにバスケの打ち込むシーン。
井上雄彦さんは物事における”努力”の部分を描くのが本当に上手いです。
というか、”努力”こそが何かを成し遂げるために絶対的に必要なことなんだなという意思が伝わってきます。
そして、僕もその思想には完全に同意です。
この作品は原作者と原作を深く愛している人たちが本当に時間をかけてじっくりと、そして妥協することなく作り上げているんだということが伝わってきます。
本当にいい作品。
とにかく観ろ!