
しっかりと読んだの初でした。
『オズの魔法使い』
ライマン・フランク・ボームによる児童文学作品で、初版は1900年となっています。
原題は『The Wonderful Wizard of Oz』ですが、『The Wizard of Oz』という題でも定着しています。
後の小説や映画などの創作物に多大な影響を与えたと言われている作品の一つで、50ヵ国語以上で翻訳、出版されています。
児童向けの文学作品となっていますが、ミュージカル舞台や映画など、別の媒体でも多くの作品が作られている作品です。
内容紹介
大たつまきに家ごと運ばれたドロシーは、見知らぬ土地にたどりつき、脳みそのないかかし、心をなくしたブリキのきこり、臆病なライオンと出会う。故郷カンザスに帰りたいドロシーは、一風変わった仲間たちと、どんな願いもかなえてくれるというオズ大王に会うために、エメラルドの都をめざす。西の悪い魔女は、あの手この手でゆくてを阻もうとするが……。世界中で愛され続ける名作。
https://www.shinchosha.co.jp/book/218151/
世界的な名作児童文学
『オズの魔法使い』を読みました。
多くの人が知っているであろう作品の一つだということは間違い無いのですが、内容を詳しくは知らなかったので改めて読んでみました。
新潮文庫から刊行されている河野万里子さんによる翻訳によるものとなっていて、250ページほどの内容となっています。
元々は児童向けの作品ということもあって、文章は凄く読みやすくなっていて、挿絵なんかも随所に差し込まれています。
(この挿絵は凄く良いです。めっちゃ読みやすくなってました)
絵本としてもおそらくたくさんあるとは思うのですが、小説として読むのは凄くよかったなとも思います。
ファンタジー作品
このお話は、タイトルにもあるように魔法使いや、さまざまな登場人物が出てくるファンタジー作品となっています。
主人公となっている女の子のドロシーはたつまきで飛ばされて不思議の国を訪れ、カカシや、ブリキのきこり、ライオンなんかとともに旅をすることとなります。
旅先でもバラエティに富んだキャラクターが色々と登場し、目的の地を目指す物語となっています。
それぞれが自分に欠けているものを手にするべく、ドロシーは元いたカンザスに戻してもらうべく魔女の元を目指すという話です。
ファンタジー作品って、大人になるとあまり読まなくなるような気がします。
少なくとも自分はあまり進んで手に取ることはあまりなく、現実の自分に即したものばかりを読むようになってしまっています。
でも、このような作品を読むとなんでファンタジーが必要なのかということが凄く分かった気がしました。
欠けている何かを
ともに旅をする仲間たちは何かしらの欠落を抱えていると思い込んでいて、それを魔女に授けてもらおうとしています。
かかしは脳みそを、きこりは心を、ライオンは勇気をそれぞれ授けてもらおうとするのですが、読んでいると皆ちゃんとそれを持っているんだなということに気付かされます。
かかしは旅を進めるべく機転の効いた知恵を出しますし、きこりは他者を思いやる行動を取ります。
勇気がないと思っているライオンも自分の身を呈して仲間のために行動したりします。
自分に欠けていると思っているからこそ、それぞれなんとかしようとみんな努力しているのです。
個人的にはこれが一番この作品が伝えたいことなんじゃないかなとも思いました。
誰しも欠落感があるからこそ、それを補うように努力するものだからです。
実際、魔女の元に辿り着いた一行はそれぞれの欲していたものを貰うこととなるのですが、魔女は何もしていません。
本当に必要なのは”自信”なんだということが書かれていたりもするのです。
創作にのせて
このようなメッセージを伝えるということは創作の持っているすごく大切な力なんじゃないかと思います。
真っ直ぐに言葉で伝えにくいことを物語の形に乗せることで適切に、そうしかできない形で伝えることができたりするのです。
そして、それは多くの場合、受け手を限定することもなく普遍的な場合が多いです。
『オズの魔法使い』も世界的に多く、長く読まれている作品となっているので、そのような力を持っていることは間違いありません。
人が生きるにあたって大切な何かをファンタジーをという形に乗せて伝えているのです。
後の作品に
魔法使いの話というとハリー・ポッターシリーズが今となっては一番有名かもしれません。
(少なくとも自分はそう)
魔法使いという存在がいつから語られ始めたのかは正確には分かりませんが、人々の想像力を掻き立てる存在が魔法使いです。
世の中にあるたくさんの創作物に魔法使いは出てきます。
そんな作品の一つがこの『オズの魔法使い』で、後の作品群に影響を与えている作品でもあるのでしょう。
たまにはこういう作品読むのもいいなと思いました。
名前は知ってるけど、意外と内容を詳しく知らないような、世界名作児童文学シリーズみたいなのを他にも読んでみたいなと思いました。