感想・解説『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』旧劇というやつです

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ネタバレありのあくまで個人的な感想と解説となります。

『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』

1997年7月19日に公開された日本のアニメーション映画で、『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの完結編となる劇場版となります。

劇場版第二弾となる作品で、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』の続編となる作品となっていて、テレビ版の第弐拾伍話と最終話をリメイクしたものとなっています。

総監督は庵野秀明さんで、25話監督は鶴巻和哉さんとなっています。

内容紹介

TV版のもう一つの結末として描かれた劇場版完結編。TV版の第弐拾伍話と最終話のリメイク作にあたる2話で構成。第25話「Air」人為的なサードインパクトに失敗したゼーレはネルフに攻撃を仕掛けてきた。絶望的状況の中、母の存在、自己の存在を確認したアスカが復活、反撃を開始。しかし、天空より新たな敵が舞い降りてきた。第26話「まごころを、君に」初号機に搭乗したシンジの見たモノは、無惨な残骸となったアスカの弐号機だった。量産機が初号機を取り巻き、厳粛なる儀式を執り行う。ヒトの心の補完とは、一体何なのか。

https://abema.tv/video/title/115-42

20年以上前のエヴァ完結編

『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』を見返しました。

というのも新劇場版の最終章となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開されていて、過去作を見返した上でもう一度見よーと思ったからです。



Air /まごころを、君には今となっては20年以上前となる1997年に公開された作品で、『夏エヴァ』と呼ばれたり『EOE(The End of Evangelion)』と呼ばれたりしている作品です。

この映画は前に一度見たことがあったのですが、細かい内容までは覚えていなくて、この機会にもう一度見直しました。



この作品が、どんな映画なのかというと、あらゆる意味でとんでもない映画です。

良くも悪くも作り手たちイカれてるんじゃないかって思うような内容となっています。

第弐拾伍話

この映画は三十分の尺のアニメを二つ繋げたような作りとなっています。

第弐拾伍話となっているのが『Air』で、最終話となっているのが『まごころを、君へ』となっている訳です。

途中、一度エンドクレジットのようなものもあったりして、本当にアニメを2話分繋げたような内容となっています。



第弐拾伍話とされているのが『Air』という話です。

これはアニメ版の内容をそのまま引き継ぐような内容となっていて、エヴァファンとしては嬉しい内容となっている気がします。



エヴァ同士が戦うシーンもありますし、シンジくんの葛藤なんかも描かれていたりします。

世界は次第にカオスの方へと向かってはいくのですが、これぞエヴァンゲリオンというような内容となっている気がしました。

衝撃の

この映画をみて一番衝撃だったのは、やっぱり最終話の方でした。

『まごころを、君へ』と称されている最終話となっているのですが、こちらは良い意味でも悪い意味でもかなりイカれている内容となっています。



アニメ版の冒頭から暗示されていた”人類補完計画”が実行されることとなるのですが、ラストには実写パートとなっている部分があります。

これは初めて見た時はかなり衝撃的で、アニメを見ている僕らのことを客観視するかのような視点で皮肉るようなことが言われます。

そして、ラストへと向かっていくのですが、最初見た時は何が何だか分かりませんでした・・・。

今となってようやく

最初に見た時は大学生の頃だったのですが、それから10年たった今見返してみて、今となっては結構内容が理解できたような気がしました。

完璧な正解のようなものはそもそも存在しない作品だとは思うのですが、自分なりにしっくりきたというか、なるほどな・・・と入ってきた気がします。



”人類補完計画”とは、全ての人類を一つの生命体へと戻す試みというようなことなのかもしれません。

他者がいるから傷ついてしまうことになるんだということなのであれば、他者の存在しない一つの生命体となれば安全じゃないかって。



確かにそうなんだよなーとか思う部分もあって、他人がいるからこそ傷は生まれてしまうし、それを無くそうという発想もあるなって。

そして、実写パートの部分もいつまでもアニメの世界にいてはいけないというメッセージみたいで、それはエヴァに縛られ続けている作り手たち自身にも言ってるんじゃないかとか思ったりもしました。

ラストは

一番最後のラストはシンジくんとアスカとの浜辺でのシーンとなっています。

”他者の恐怖”のある世界を生きるしかないのだという現実がそこにはあるかのようで、「気持ち悪い」というアスカのセリフでこの映画は終わります。



え?と最初見た時は思ったんですが、これも今となっては何となく分かるような気がしました。

他者と生きるということは傷つくことと不可分に繋がっていて、それを受け入れた上で生きていくしかないんだなと。


トータルとして、やっぱりかなりインパクトのある凄い映画なんだなということは間違いありません。

リアルタイムでこの作品を観ることは出来ていないのですが、エヴァンゲリオンというアニメが好きで、当時劇場でこれを見た人はかなり衝撃だったのではないでしょうか。



完結編としては成立しているなとは個人的には思いますが、なんだこれ?と思う人も結構いたような気がします。

実際、これでは終われないと思ったのか作り手たちは新劇場版を作り、エヴァンゲリオンを描き直すということをするのですが、それも含めこの作品の持っているパワーってすごいな・・・と改めて思いました。

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