
気になっていた映画。ようやく観れました。
『メランコリック』
2019年に公開された日本映画。
監督は田中征爾さんで、皆川 暢二さん、磯崎義知さん、吉田芽吹さんなどが出演しています。
田中征爾さん、皆川 暢二さん、磯崎義知さんの三人は『One Goose』という映画制作チームを発足しており、初となる長編作品となります。
内容紹介
バイトを始めた銭湯は、
https://www.uplink.co.jp/melancholic/
深夜に風呂場で人を殺していた――!?
名門大学を卒業後、うだつの上がらぬ生活を送っていた主人公・和彦。ある夜たまたま訪れた銭湯で高校の同級生・百合と出会ったのをきっかけに、その銭湯で働くこととなる。そして和彦は、その銭湯が閉店後の深夜、風呂場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。そして同僚の松本は殺し屋であることが明らかになり…。
新人監督による初監督作
『メランコリック』観ました。
面白い作品だという評判はどこかから耳にしていて、時間をとって観たいと思っていて、ようやく観ることができました。
監督は田中征爾さんという方で、まだ34歳の若い監督となっています。
皆川 暢二さん、磯崎義知さんとともに発足している映画制作チームである『One Goose(ワングース)』によって制作された映画です。
出演されている方はまだ無名の方が多いですが、海外の映画祭をはじめ多くの映画賞を受賞している作品ともなっています。
閉店後の銭湯で
この作品は東大を卒業後、働くことなく過ごしていた青年が銭湯でアルバイトを始めるところから始まります。
同級生の女の子と再会し、それをきっかけとして働き始めるのですが、ある日閉店後の銭湯で何かが行われていることを知ります。
そこは、事後の処理がしやすいという理由で殺人の場所として使われており、現場を目撃してしまった和彦は仕事を手伝うことと秘密を守ることを求められます。
危険なことをやっていると知りながらも、和彦は労働の喜びのようなものを感じながらも、同時期にバイトを始めた松本という金髪の男も閉店後の殺人に関わっていることを知ります。
銭湯を中心に話は進んでいくのですが、物語は次第に意外な方向へと進んでいき、最後はあれ?みたいな感じにもなっていました。
銭湯を殺人の舞台として使うというのは、言われてみれば確かにいい場所かもしれないな・・・と思いました。
遺体を燃やすこともできて、飛び散った血を綺麗に処理することもできる場所です。
そんな舞台設定の中で、恋愛の要素なんかもありながら、サスペンス的な作品として仕上がっています。
結構不思議な映画かもしれません
見終えてみて思ったことは、いい意味で思い通りにならない映画というか、予想外の方向へ進んでいく映画だな・・・と思いました。
主人公の和彦は殺人の現場を見てしまい驚くのですが、それを手伝うことによって多額の報酬を得ることで満足感を感じるシーンなんかは、えっ?と思いながらもこういう感情もあるかもな・・・と思ったりしますし、
再会する同級生の女性は、こいつなんか悪い話持ってくるんじゃないか・・・と思って見ていると普通にいい子だったりしたり。
ラストはある出来事が起こり、そこが映画のクライマックスとなるのですが、その後の銭湯での団欒のシーン。
こういう終わり方・・・?というような感じでしたが、そこで語られる和彦の語りは結構身に染みるものがありました。
このまま終われるはずないんじゃないかという思いもありながら、この映画で伝えたいことはそんなことじゃないんだろうと思います。
生きているとこんな日がずっと続けばずっといいのになと思えるような瞬間が人生には何度かあって、その一瞬のために僕たちは生きているのかもしれない。
というようなことが語られ、まさにこの作品で伝えたいことはそれなんだろうなって。
身近にありそうで
全体を通して、すごく良くできている映画だなと思いました。
おそらくですが、そこまでお金もかかっておらず、銭湯を中心に狭い舞台で完結する映画です。
出演している俳優さんは無名の方ばかりですが、どのかたもすごくいい味を出しています。
松本役の磯崎さんや、同級生の女性を演じている吉田芽吹さんなんかはいろんな作品から声がかかるんじゃないかというような気もしたり。
主役の和彦を演じている皆川さんも冴えない青年というような役となっていましたが、よく見たら結構な男前な方で。
制作の部分は詳しくは分かりませんが監督の田中さんと映画制作チームを持っているのも強いんじゃないかなとか思ったり。
個人的には今後の作品もすごく期待しています。