
何年か前のこの映画です。
『バケモノの子』
2015年に公開された日本のアニメーション映画です。
原作・脚本・監督は『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』の監督でもある細田守さん。
声の出演として役所広司さん、宮崎あおいさん、染谷将太さん、広瀬すずさんなどが参加しています。
主題歌はMr.Childrenの『Starting Over』となっています。
story
この世界には、人間の世界とは別に、 もう1つの世界がある。バケモノの世界だ。
https://www.toho.co.jp/movie/lineup/bakemono.html
人間界【渋谷】とバケモノ界【渋天街(じゅうてんがい)】。交わるはずのない2つの世界に生きる、ひとりぼっちの少年とひとりぼっちのバケモノ。
ある日、バケモノ・熊徹(役所広司)に出会った少年(宮﨑あおい)は強さを求め、バケモノの世界へ行くことを決意した。
少年は熊徹の弟子となり、九太という新しい名前を授けられる。 当初はことあるごとに、ぶつかり合う2人だったが、 奇妙な共同生活と修行の日々を重ねることで互いに成長し、 いつしか、まるで本当の親子のような絆が芽生え始める。
少年が逞しい青年となったある日。
偶然にも、【渋天街】から【渋谷】へ戻った九太(染谷将太)は、 高校生の少女・楓(広瀬すず)と出会う。 新しい世界や価値観を教えてくれる楓との出会いによって、 九太は自身が本当に生きるべき世界を模索し始めるのだった。
そんな時、人間とバケモノの2つの世界を巻き込んだ大事件が勃発する。 みんなを救うために、自分にできることは何なのか?
熊徹と九太、そして楓。それぞれに決断のときが訪れる―
2015年のアニメ映画
『バケモノの子』は2015年に公開されたアニメ映画です。
監督は今となっては日本アニメ界を代表する人物ともいえる細田守さんで、『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』に続く、オリジナルとなる長編アニメーションとなっています。
2020年となった今となっては5年前の映画となっているのですが、少し前に改めて見直しました。
やっぱりこの映画いい作品だな・・・と改めて思った映画でもありました。
人とバケモノの間で
前作の『おおかみこどもの雨と雪』は人間とおおかみとの間にできた子供を育てる母親の話でした。
人間とおおかみを併せ持っている子供の成長をアニメーションでしかできないような表現を多用しながら描いていた映画でした。
そこには、人間として生きるか、おおかみとして生きるかというテーマがありました。
人間たらしめているものはなんなのか。動物たらしめているものはなんなのかということを考えさせられる映画です。
そして、この『バケモノの子』という作品。
これは同じ監督の作品というだけあって、共通するテーマ性というか、作家性のようなものが色濃く出ているなと思いました。
二つの世界の狭間で
この作品でも主人公は二つの世界の中間にいることとなります。
それは人間の世界とバケモノたちの世界です。
バケモノと言ってもこの作品のバケモノは結構デフォルメされた擬人化された動物たちです。
というか見た目が動物なだけで、喋る事もできるし、振る舞いなんかも普通に人間です。笑
バケモノである熊に育てられるのですが、物心ついてから人間の世界へ戻ります。
そして、人間として普通に生きることのできる可能性も知ることとなります。
二つの世界の狭間に生きる主人公は最終的には選択を迫られることとなるのです。
『選択するということ』
細田守さんの作品では『自ら世界を選び取る』ということがすごく重要な意味を持っている気がします。
前作のおおかみこどもでも、最終的に二人の子供は別の世界に生きることを選びました。
本作も最終的に『世界の選択』という場面が訪れます。
そして、九太は人間の世界で生きることを選ぶのですが、彼にとってバケモノたちとの関わりは大きな意味を持つ出来事ともなっています。
アニメーションとして
そして本作はまさにアニメーションでしかできないことで溢れている作品でもあると思いました。
擬人化された動物というバケモノたちもそうですが、個人的にいいなと思ったのは熊徹との修行を通して九太が成長していくシーンです。
時間の経過や季節の移り変わりを流れるように映し出していて、おお・・・という感じのシーンとなっていました。
他にもアニメーションでしか生み出すことのできない快楽がたくさんあるような映画でもあるな・・・と思いました。
主題歌がGOOD
そしてなんと言ってもこの映画の魅力を引き立てているのは、主題歌でもあると思います。
主題歌はMr.Childrenの『Starting Over』という曲となっています。
この曲はこの映画のためのような歌詞にもなっていて、奥の深い曲でもあります。
このレベルの曲がアルバムの中にある1曲だなんてMr.Childrenってやっぱすげーな・・・と思いました。
トータル、あらゆる点においてハイクオリティなアニメ映画だなと思いました。