
久々に劇場で観た映画。
怖面白かったです。
『透明人間』
2020年の米豪合作のホラー映画です。
イギリスの小説家H・G・ウェルズによる同名小説を原作とした映画で、監督はソウシリーズのリー・ワネルさんとなっています。
主演のセリシア役はエリザベス・モスさんとなっています。
日本公開は当初2020年5月の公開予定となっていましたが、コロナウイルス の影響により公開が延期。7月に劇場公開となっています。
story
富豪で天才科学者エイドリアンの束縛された関係から逃げることの出来ないセシリアは、ある真夜中、計画的に彼の豪邸から脱出を図る。
https://toumei-ningen.jp
失意のエイドリアンは手首を切って自殺をし、莫大な財産の一部を彼女に残した。セシリアは彼の死を疑っていた。
偶然とは思えない不可解な出来事が重なり、それはやがて、彼女の命の危険を伴う脅威となって迫る。
セシリアは「見えない何か」に襲われていること証明しようとするが、徐々に正気を失っていく。
公開延期されていたホラー映画
映画『透明人間』観てきました。
正直この作品のことは全く知らなかったのですが、ちょっと時間があり、面白そうな作品ないかなと思って観たのがこの映画です。
劇場公開はコロナウイルス の影響で延期されていて、7月にようやく公開となっていました。
ホラー映画ということでどんな感じなのかなと思っていたのですが、そこまでガッツリとしたホラー作品という感じではありませんでした。
怖い部分はあるのですが、それは霊的な怖さや、人知を越えた怖さというよりは、社会的な怖さ、心理的な怖さというような感じです。
サスペンス的な部分が多くなっていて、そういう部分では結構怖かったな・・・という感じでした。
先の読みにくい
あまりがっつりとしたホラー映画って見たことがなかったのですが、この作品はそういう作品とは少し違う気がします。
透明人間という古くからあるモチーフを現代的に再解釈し直し、リアリティのある怖さがこの作品では描かれています。
観る側は透明人間をテーマとしている作品なので、常にどこかに誰かがいるのではということを意識しなが観ていくこととなります。
独特のカメラワークが続き、何もないところが長く映され、結局何もないというシーンが序盤は続きます。
いつ来るんだ、いつ来るんだ・・・という感じで観ていくこととなります。
そして、あるシーンをきっかけに透明人間の存在が明確に示されます。
やっぱりなという思いもありながら、衝撃的なシーンがあり、話は展開していくこととなるのです。
どこかで何かしらの形で出てくるということは分かっているのですが、この作品はとても先の読みづらい感じとなっています。
静かな不気味さをじわじわと見せられていく気持ち悪さがあります。
社会的に追い込まれていく
この作品の怖さは、セシリアという女性が社会的に徐々に追い込まれていくところにあります。
直接的な暴力も随所にあるのですが、科学者のエイドリアンは常に彼女のことを見張り、少しずつ、しかし確実に彼女のことを追い詰めていくのです。
仕事の面接の邪魔をしたり、身を隠させてもらっている親友家族に不信感を抱かせたり、妹に不審なメールを送ったりと、『彼女だけがおかしい』と周りから見たら見えてしまうような状況へと追い込んでいくのです。
この辺りはすごく現代的というか、非常に怖い部分でした。
確かに、客観的に見れば長年支配的な男のもとにいたから、そういう妄想を描いてしまうかもしれないなという描き方で話は進んでいきます。
しかし、実際にそこには透明人間がいて、彼女は確かにその存在を知っているのです。
ちょっと気になったのは
ラストもちょっと意外な形で終わるようになっています。
多分銃か何か持っていて、撃つのかな・・・と思っていたら、予想外の展開となっていました。
なかなかの仕返しの仕方となっている気がしました。
ただ一つだけ気になったのは、なぜエイドリアンはあそこまでセシリアに執着するんだ・・・?という部分です。
作中でセシリアが口にするように、彼女以外にも女性はたくさんいるのでは・・・?と思ってしまいました。
そこには描かれていない何かがあるのかもしれませんが。
それにしても久しぶりに劇場で映画を観ましたが、なかなかハードな映画でした。
元は1933年の『透明人間』という映画をモチーフにしているそうで、観たことがないのですが、これも気になりました。