感想・解説『愛しのアイリーン』あまりにも不器用すぎる男の話です

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数年前に見たこの映画です。

『愛しのアイリーン』

新井英樹さんの同名漫画を原作とした日本映画で、2018年に公開されました。

監督は『ヒメアノ〜ル』などの吉田恵輔さん。



主演は安田顕さん。アイリーン役はフィリピンオーディションで選ばれたナッツ・シトイさんが演じています。

他、伊勢谷友介さん、木野花さん、田中要次さん、福士誠治さんなどが出演しています。

story

一世一代の恋に玉砕し、家を飛び出した42歳のダメ男・宍戸岩男(安田顕)はフィリピンにいた。コツコツ貯めた300万円をはたいて嫁探しツアーに参加したのだ。

30人もの現地女性と次々に面会してパニック状態の岩男は、半ば自棄になって相手を決めてしまう。それが貧しい漁村に生まれたフィリピーナ、アイリーン(ナッツ・シトイ)だった。

岩男がとつぜん家を空けてから二週間。久方ぶりの帰省を果たすと、父の源造(品川徹)は亡くなり、実家はまさに葬儀の只中だった。

ざわつく参列者たちの目に映ったのは異国の少女・アイリーン。これまで恋愛も知らずに生きてきた大事な一人息子が、見ず知らずのフィリピーナを嫁にもらったと聞いて激昂するツル(木野花)。ついには猟銃を持ち出し、その鈍く光る銃口がアイリーンへ……!

http://irene-movie.jp/about.html

結構すごい映画でした

『愛しのアイリーン』は2年前に劇場で公開されている時に観に行った映画です。

この映画は漫画を原作としている作品で、1995年から1996年にかけて『ビッグコミックスピリッツ』で連載されていた新井英樹さんの漫画です。



監督は『ヒメアノ〜ル』の吉田恵輔さんで、『ヒメアノ〜ル』も観たのですが、これも同じく漫画原作で、相当凄い映画でした。



『愛しのアイリーン』は一人のダメ男と一人のフィリピン女性の話となっています。

岩男という42歳で実家に暮らしているダメ男が、フィリピンでの婚活ツアーに参加するところから話は始まります。

オーディションで選ばれた

そこで岩男は一人の女性と出会い、日本へと帰国します。

その女性がアイリーンという女性です。



アイリーン役を演じているのはフィリンピンでのオーディションで選ばれたナッツ・シトイさんという女性です。

原作は読んでいなくて、原作との比較はできないのですが、彼女がこの作品においては絶妙で重要な役割を果たしています。



可愛らしさもありながら、フィリピンの貧しい家族を支えようというなかなかに思いバックボーンを抱えていたりもします。

日本から訪れた少し変わった男とともに国を離れ、懸命に生きようとするその姿は結構印象的でいい味出しているな・・・と思いました。

そして、岩男の母親ともなかなか難しい関係性となっていくのですが、その辺りも見所です。

岩男という男は・・・

この映画の主役となる岩男という男なのですが、安田顕さん演じている彼もなかなか凄いです。

彼は42歳まで独身で実家暮らしで、いろいろとこじらせている人物です。



そして、木野花さんの演じているちょっと厄介な母親のもとに暮らしている人物でもあります。

彼は本当に不器用で、途中同僚の女性を狂ったように犯したりと、なかなかの場面もあったりしながら、最後は結構衝撃的な展開です。



彼がアイリーンと実家の自分の部屋で愛し合うシーンはこの映画において結構重要なシーンな気がしました。

世界にはいろんな愛の形があると思いますが、ある意味でこれはなかなかの純愛なんじゃないか・・・という。

実は根深い話

実はこの話は日本とフィリピンにおける根深い問題を描いている話でもあると思いました。

アイリーンは家族のために、いわば出稼ぎに出るために日本へ行くこととなります。

それは決して簡単に解消することのできない格差の問題があるのだと思います。



そして、嫁姑という普遍的な問題を扱っている作品でもあります。

岩男の母親は行き過ぎている部分もありますが、映画としてはなかなか見どころ有りでした。



そして終盤の展開とラストシーン・・・。

起こっていることはなかなかに悲惨なことでもあるのですが、ジーンとくるというか、よく分からない感情になりました。

原作も再販されていたりもして、これも読んでみたいなーとか思ったりしました。

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