感想・解説『若草物語』長く広く読まれる理由が分かりました

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映画を見て原作となる小説も読んでみました。

『若草物語』

アメリカの作家であるルイーザ ・メイ・オルコットによる自伝的小説で、1868年に書かれた作品です。

原題は『Little Women』となっていて、アメリカに暮らすマーチ家の4人姉妹を描いた小説です。



世界各国で訳され、映画化、ドラマ化、漫画家などされている作品です。

原題の『Little Women』は作中で父親が4人の娘たちの呼び方からとられています。



2019年にはグレタ・ガーウィグさんによる監督で映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が公開されています。

作品紹介

「あるべき家庭生活ではなく、家族一人ひとりの喜怒哀楽を描くことでより真実味のあるホームドラマに仕立てたところが、『若草物語』の画期的な側面だった」(訳者)。今も全世界で愛されるベストセラー!

■story
メグ、ジョー、ベス、エイミー。感性豊かで個性的な四姉妹と、南北戦争に従軍する父親に代わり家を守る堅実な母親との、1年間の物語。

隣家のローレンス氏や少年ローリーらとの交流を通し、少女たちは大人に近づいていく。ティーンエイジャーの日常を生き生きと描く、不朽の名作!

https://www.kotensinyaku.jp/books/book262/

映画を観て

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』をいう映画を観ました。

内容はほとんど知らない状態で観たのですが、これがすごくいい映画です。



そして、この作品にはタイトルにもあるように原作となっている小説があります。

それが『若草物語(原題:Little Women)』という小説です。

タイトルは聞いたことがあったのですが、読んだことはなく、今回いい機会だと思い購入して読みました。



この作品はアメリカの作家であるルイーザ ・メイ・オルコットさんによって書かれたものとなっています。

日本語訳版もたくさんあり、今回読んだのは光文社古典新訳文庫から刊行されているものとなります。

4人姉妹を描いた

『若草物語』は世界各国で何度も書籍化だけでなく、映画化やドラマ化などがされている作品です。

2019年に『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が公開されていることからも、現代に至るまで作品が作られている小説です。



これだけ繰り返し語られる物語だということは、この作品が力ある作品であり、普遍性を持っているからだということとなります。

一体何がこの作品の魅力となり、多くの読者を獲得しているのでしょうか。



『若草物語』はマーチ家という4人姉妹の家族が描かれている作品です。

メグ、ジョー、ベス、エイミーと、著者自身の家族がモデルとなっている4人姉妹が描かれます。

4人の両親や、近くに住む良家であるローレンス家の人たちなどとの交流などを通じた日常が1年間描かれています。

姉妹たちは10代お微妙な年齢の少女たちで、そんな彼女たちの日常と成長を描いている作品です。

大切なものとは何か

姉妹たちの暮らしは決して裕福なものではありません。

しかし、この小説を読むと本当に大切なものは何かということがすごく良く分かる気がしました。



それは”お金が全てではない”というような単純なメッセージではなく、もっと深い部分で人として大切なものとは何かがすごく伝わってきます。



一つ一つの章は短くなっていて、それぞれの章で事件というか、何か出来事が起こります。

それは決して正しいことばかりではなかったりするのですが、様々な話を通して何が大切かを伝えてくれる作品です。

自分のことを描いてくれている

いい小説の一つの条件として、『この物語は自分の物語だ』と思わせてくれるかどうかというのがあります。

小説を内面に取り込んだ後、これは自分の物語だと思える作品は珍しく、なんで自分のことをここまで知っているの?と思うこともあります。



それはまさに小説でしか与えることができない快楽であると思います。

小説を通じて自分の内面と向き合い、自分の頭で考えた結果、ストンと落ちるような感覚があるのです。



僕は男なので、『若草物語』はどちらかというとローリー(ローレンス家の息子)や、ほとんど登場しませんが父親の目線で見てしまいました。

おそらく、この作品は女性が読めばもっと深い部分で共鳴する内容となっているのだろうと思います。

第九章

一通り読んでみて、特に大切なことが書かれているような気がしたのが、第九章となる『メグ、虚栄の市へ行く』という部分です。

ここで母親が長女のメグに思いを語るシーンがあるのですが、ここはすごく重要な部分です。



ものすごく本質的な部分で女性はどのように生きるべきか、女性としての幸せとはなんなのかが語られている気がします。

お金持ちと結婚させようという腹づもりが母親にはあったのではということを感じたメグは、母親の思いを聞くのですが、ここはすごく重要なセリフとなっています。

お金のことや愛のことだけでなく、教養ある娘たちになって幸福な人生を歩んでほしいという母親の想いが伝わってきます。

続編もある

今回読んだ小説では、父親が帰ってきて、長女のメグが結婚するところまでとなっています。

この話にはまだ続きがあり、全部で『第四若草物語』まであるとのことです。



今回読んだ小説版では映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』で描かれているシーンもたくさんありました。

先に映画を観ていた分、情景が想像し易くて良かったかも知れません。



各国で訳され、たくさんの読者を獲得している本だけあり、凄くいい本でした。

これはまさに『ストーリーオブマイライフ』と呼べる小説だなーと思いながら読んでました。

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