
久々に劇場で新作観ました。
『ストーリー・オブ・マイライフ/私の若草物語』
『ストーリー・オブ・マイライフ/私の若草物語』は2019年にアメリカで公開されたドラマ映画です。
原題は『Little Women』で、ルイーザ・メイ・オルコットによる同名小説『若草物語(Little Women)』を原作とした映画です。
監督は『レディ・バード』でも知られる女性監督グレタ・ガーウィグさん。
主演はシアーシャ・ローナンさん、他ティモシー・シャラメさん、エマ・ワトソンサンなどが出演しています。
日本公開は当初2020年3月に予定されていましたが、新型コロナウイルス の影響を鑑み公開が延期。2020年6月12日に公開となりました。
story
ジョーはマーチ家の個性豊かな四姉妹の次女。情熱家で、自分を曲げられないため周りとぶつかりながら、小説家を目指して執筆に励む日々。
https://www.storyofmylife.jp/about.html
控えめで美しい姉メグを慕い、姉には女優の才能があると信じるが、メグが望むのは幸せな結婚だ。
また心優しい妹ベスを我が子のように溺愛するも、彼女が立ち向かうのは、病という大きな壁。そしてジョーとケンカの絶えない妹エイミーは、彼女の信じる形で、家族の幸せを追い求めていた。
共に夢を追い、輝かしい少女時代を過ごした4人。そして大人になるにつれ向き合う現実は、時に厳しく、それぞれの物語を生み出していく。
小説家になることが全てだったジョーが、幼馴染のローリーのプロポーズを断ることで、孤独の意味を知ったように─。自分らしく生きることを願う4人の選択と決意が描く、4つの物語。
小説原作の
『ストーリー・オブ・マイライフ/私の若草物語』観てきました。
公開が延期されていたのですが、6月12日にようやく公開となり、早速劇場へ。
この映画は『レディ・バード』の監督と同じ監督、主演も同じくシアーシャ・ローナンさんで、きっと面白いんだろうなーと思っていました。
この作品は、『若草物語』という1800年代の小説を原作としている映画です。
原作は読んだことがなかったのですが、調べてみるとこの小説は何度も何度も繰り返し映画化やドラマ化、アニメ化がなされている作品です。
いろんな国で、いろんな言語で、いろんな文化圏でそれほど繰り返されるということは、それだけ普遍的な事を描いている作品であるということかと思います。
4人の姉妹を描く
この映画では4人の姉妹が描かれています。
それぞれ異なる考えを持っていて、それぞれの人生にいろんなことが起きていく様子が描かれます。
主役として描かれているのは原作者自身を描いたともされている次女のジョーです。
彼女は小説家になる事を志していて、一人ニューヨークに住んでいる女性です。
そして、姉のメグ、妹のベス、エイミーと4人の姉妹の様子が描かれます。
映画は現在の彼女たちの様子と、7年前の一緒に暮らしていた頃の記憶とが交錯するような形で進んでいきます。
貧しいながらも楽しく暮らしていた過去と、それから時間の経過した現在とが描かれていいくのですが、過去は美しく、それに対する現在というような形で描かれています。
過去は些細なことでも美しく、現在はどこか行き詰まっているかのような。そんな感じとなっています。
安易なフェミニズムではないところが
この映画は全編を通じて『女性がどう生きるか』という事を様々な角度から描いている作品だなと思いました。
それはこの原作が書かれた100年以上前から現在に至るまで、決して変わらないものなのかもしれません。
この監督の描き方が凄いなと思ったのは、この映画は決して女性の地位を認めようというような、安易なフェミニズムばかりを主張してはいないところです。
主にその役割を担っているのが主役のジョーと、妹のエイミーではないかと思います。
ジョーは小説家として成功し、自分の才能を認めさせるとともに、女性として自立して生きる事を目指しています。
対するエイミーはお金持ちの男性と結婚する事を目指すという現実主義的な女性です。
二人は過去にある事がきっかけで喧嘩をすることとなるのですが、この二人がとても重要な存在となっています。
途中、心に響く名言もあり、『女にとって結婚は経済なの』というセリフや、終盤に実家に帰ってきたジョーが母親に対して屋根裏で言うセリフなんかは、これがこの映画の言いたいことなのかもなーとか思いました。
他の人物も
他の人物の描写もすごく丁寧にされてるなーと思いました。
時間の関係で全てを盛り込むことはできないのかもしれませんが、姉のメグや妹のベス、両親もそれぞれいろんな事を抱えています。
近くに住んでいた良家の息子であるローリーや、彼の家族との交流なんかもいい話ですなーと言う感じで。
父親が戦争から戻ってくるシーンとかも感動的で、なんだかんだ男性の事を頼りにしているんだなーとか思ったりもして。
ラストの盛り上がりというか、ハッピーエンドへの流れも微笑ましくてよかったです。
ベスが亡くなった後に、ジョーが狂ったように小説執筆に取り組むシーンも個人的にはすごく好きです。
女性にも思想や野心、才能があり、それを認めさせたいのだという、芸術家としての女性がどうあるかを描いている映画でもあるのかなーと思ったりもしました。
これが監督の言いたい事なんだろうなーと。