感想・解説『レベルE Vol.3』

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レベルE3巻です。

『レベルE』

冨樫義博さんによる漫画作品で、週刊少年ジャンプにて1995年から1997年にかけて連載されました。

『幽☆遊☆白書』と『HUNTER×HUNTER』との間に連載されていた作品で、2011年にテレビアニメ化もされています。

ジャンプ連載時は月一連載となっていて、コミックス全3巻となっています。

内容紹介

放浪の民・マクバク族が地球に飛来した。目的は王女の婿探し。なんと婿に選ばれた種族のオスは、いずれ絶滅の道をたどるという。

ところが、王女が一目ぼれした相手は地球人の女・・・果たして?

https://www.s-manga.net/items/contents.html?isbn=4-08-872073-3

盛り沢山の3冊目

レベルEの3巻目となります。

これはこの漫画のラストとなる感となっていて、数で言えば一番多くの話が載っています。



最初は2巻から続いている『マクバク族サキ王女・ムコ探し編』の話。

そして、1・2巻の登場人物たちの後日談的な話ともなっている『高校野球地区予選編』と『原色戦隊カラーレンジャー・人魚編』があり、

最後は『バカ王子の結婚編とハネムーン編』が書かれています。



高校野球の予選編だけが2話にわたっていて、後の話は全て1話ずつとなっています。

この巻に書かれている話も、それぞれ密度は濃い話ばかりとなっていますが、1話だけで完結となっている話も多く、短編集を読んでいるかのような感じでした。

カラーレンジャーのその後

個人的にはカラーレンジャーの話は凄くよくできていて、好きだなーと思いました。

人魚の売買をしている宇宙人たちをカラーレンジャーが凝らしめるという話なのですが、そこに転校することとなった少年の話も絡んでいて、いい話でもあり、よくできている話です。

人身売買的な深い話を扱っていながらも、少年たちの友情の話でもあり、なるほどなーという感じです。



そして、高校野球予選編もかなり練り込まれている話だなーという感じがしました。

予選へ向かうバスがある部員のストレスか何かが原因で、誰かの潜在意識の中にワープしてしまう。という話です。



結構頭を使う話でもありますが、本質的には野球を好きな誰かが起こしたというちょっとほっこりする話でもあります。

最終的に原因は誰だったのかは・・・難しいです。

王子の結婚・ハネムーン

そしてラストに書かれているのが事実上の主人公であるドグラ星の王子が結婚し、そしてハネムーンへいくという話です。

結婚の方はマグラ星という、地球からしたら月的な存在の星から許嫁がやってきて、王子と結婚すべく動くこととなり・・・。

という話です。ラストはあの王子が意外な展開となっていて、面白い話です。



そして、最終回はそれから数年が経ち、王子と王女がハネムーンへ行くこととなります。

そこである場所を訪れ・・・という話となっています。



それぞれの話を読んでみて、やっぱり同じ作家さんだとどこか似通った部分が出てくるのだなーという事をすごく思います。

王位継承の話は、ハンターハンターの暗黒大陸編にも繋がっていると思いますし、虫というモチーフも何度も冨樫さんの作品には出てくる気がしたりして。

結構グロい描写もサラッと書いてしまうあたりは、やっぱり冨樫さんだなという感じです。



星の名前の由来となっているのはおそらく(というかほぼ間違いなく)夢野久作さんの『ドグラ・マグラ』という小説です。

これはかなりの奇書とされていて、僕も手に取ったことはあるのですが、結局読めずにいた小説です。

密度がハンパない

『レベルE』は週刊ジャンプ上で月一で連載がされていた漫画です。

たっぷりと時間をかけて、書きたいものを書いたんだろうなーという感じがすごく出ていて、1話1話の密度が半端ないです。



おそらく、長期に続ける事を目的とせずに書かれているからか、だらだらした感じもなく、非常にさっぱりとした作品な気がします。

後にある『HUNTER×HUNTER』にも続いているなーと思うような部分も結構あったりして、個人的にはすごく好きです。



『HUNTER×HUNTER』も今すごく面白い展開となっていて、早く先を読みたくて仕方がありません・・・。

連載再開はいつになるんだろう・・・。

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