感想・紹介『新対話篇:東浩紀』

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ゲンロンより刊行された本です。

『新対話篇』

東浩紀さんが2012年から2020年にかけて行った対談や鼎談をまとめて再編集したもの。

主に哲学や芸術をテーマとするものが厳選されていますが、政治や文学など様々なジャンルに及ぶ話が展開されています。



対談の相手は、筒井康隆さんや、國分功一郎さん、高橋源一郎さん、柳美里さんなど、計12名となっています。

内容紹介

ソクラテスの対話をやりなおす――
哲学と芸術の根本に立ち返った本格対談集


東浩紀が2012年以降に行なった対談・鼎談から、
哲学と芸術をテーマとするものを厳選し集成。

対話というもっとも古く原始的な方法で人文知の再起動に挑む10章。
飴屋法水・柳美里との語り下ろしを加えた決定版。

https://genron.co.jp/shop/products/detail/272

対談をまとめた

ゲンロンより刊行された『新対話篇』読みました。

東浩紀さんのことは大学時代からファンで、ゲンロンの会員にもなっている身としては、読まない理由はないだろうということで早速読みました。



この本は2012年から2020年にかけて行われた対談・鼎談をまとめたものとなっています。

うち8つはすでにゲンロンの中で掲載されたことがあるもので、二つの対談が新たに追加されたものとなっています。



芸術と哲学が主なテーマとなってはいますが、実際に扱われている話はとても幅広く、文学や政治、天皇の話もあったり、チェルノブイリ原発の話もあったりします。

所々、少し専門的な話や、難しい話もあったりしますが、読みやすくまとめられています。

様々な議論から

ここで行われている対談・鼎談はゲンロンカフェという場所で行われたものとなっています。

僕も一度訪れたことがあるのですが、決して広すぎず、とても近い距離で話を聞くことができる場所となっていました。



結構独特の空気感で、かといって固すぎず、リラックスして議論を聞くことのできる場です。

日本において、大学以外でこういうしっかりとした学術的な議論を聞くことができるような場って他にあるんですかね?



僕が知らないだけかもしれませんが、結構貴重な場所になりつつあり、認知されていっている場でもあると思います。

今現在自分は茨城に住んでいるということもあり、なかなか行くことができていないのですが、そのうちまた行ってみたいなとも思っています。

テーマは広すぎて

正直、この本を読んで感想や解説を書くってなかなか難しくて、何を書いても表層的なものになってしまいそうです。



扱われているテーマは本当に豊富で面白い本であることは間違いありません。

哲学者の名前や、映画や文学などの作品の固有名詞もたくさん登場します。

一部は知ってはいるのですが、知らないものも結構ありました・・・。



こういう本を読むと自分が知らないことや理解していないことがわかるような気もしています。

そして、その全てを知ることが不可能なんじゃないかということも知ることができます。



これって意外と大切なことのような気もしていて、一人の人間が追求できることには限界があるのです。

だからこそ、東浩紀さんもたくさんの異なる分野からの専門家と対談をし、話を聞いているのだと思います。



個人的に一番面白く読めたのは國分功一郎さんとの対談でした。

原題は映像や録音などの歴史の証拠となる『エビデンス』が増えてはいるけれど、それでも過去や歴史は一つに確定しない。というようなことが書かれていたりして。

なるほどな・・・と思ってしまいました。



この本と同時に『哲学の誤配』という本も刊行されています。

こちらも購入し、家に届くのを待っているという状況です。

これも難しそうだけど、面白いんだろうな・・・とか思いながら。

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