感想・要約『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ:北野唯我』

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タイトルに惹かれて読んでみました。

『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』

北野唯我さんによる著作で、日本経済新聞社出版より2019年1月17日に出版されました。

元々は著者のブログにて掲載されていたものを書籍としてまとめたもので、物語形式で分かりやすく説明されています。

凡人、秀才、天才とそれぞれ分け、お互いがどのような感情を抱いているのか、そしてなぜ天才が凡人に殺されてしまうのかについて書かれている本です。

内容紹介

あなたは凡人? 秀才? それとも天才?
公開瞬く間に30万pvを超えた人気ブログ
「凡人が、天才を殺すことがある理由。」が、
物語となって書籍化!


天才肌の女性創業者社長に惚れ込み、起業に加わって10年。会社は大きくなったが、新事業は振るわない。「社長は終わった」などという声も聞こえてくる――。

そんな悩みを抱える広報担当の青野トオルは、謎の犬ケンと出会う。
関西弁と東北弁がまざった珍妙な言葉を使うケンは、トオルの疑問に当意即妙に答えていく。

人間の才能とは何か、なぜ人はすれ違ってしまうのか、私たちは自分の中にどのように才能を見い出し、どうやって伸ばしていけばいいのか。
今最も注目されるビジネス作家が90分で読める物語にまとめた、超・問題作!

https://nikkeibook.nikkeibp.co.jp/item-detail/32253

凡人・秀才・天才

気になっていた『天才を殺す凡人』という本を読みました。

これは北野唯我さんという人が、もともとブログで公開していたコラムを書籍としてまとめたものとなっています。



この本では、まずどのような人のことを『凡人』、『秀才』、『天才』と呼ぶのかという定義をしています。

それがとても分かりやすく、その人が何を持って物事を評価するのかという部分で区分されています。



『天才』は創造性
『秀才』は再現性
『凡人』は共感性

それぞれ、このような軸で物事を評価していると言います。



この視点がまずすごく新鮮でした。

何かを成し遂げたかという結果や、才能ではなく、物事の見方でそれぞれを区分しているのです。

コミュニケーション不全

それぞれの人たちがどのようにお互いのことを思っていて、なぜコミュニケーション不全に陥り入りがちなのかということが書かれています。

そして、本書の肝ともなる『なぜ天才が潰されてしまうのか』ということが書かれています。



天才と秀才、凡人ではそれぞれ世界の見え方が違っています。

天才と呼ばれる人たちは他の人たちが見ていない何かを見えていることがあります。



しかし、それは必ずしも具体性があったり、説得力のある説明力を持っているものではありません。

天才の見えていることは説明が難しく、ぼんやりとしていることが多いのです。



それに対し、共感性を軸とする凡人は多数による共感という力を、再現性を軸とする秀才は具体性や論理性を持っています。

天才が潰される要因はそこにあるというのです。



この話・・・決して誰も他人事ではありません。

僕も会社勤めをしていて、同じような場面を少なからず見たことがあるような気もするからです。

天才を救うには

確かにこの本を読み進めていると、天才であることは必ずしも幸福ではないのかと思えてきます。



しかし、それでいいのでしょうか。

天才の存在は時に大きく世界を進歩させ、変えることがあります。



それは秀才や凡人ではどうあがいても生み出すことのできない何かであることがほとんどです。

天才による進歩は、回り回ってすべての人にとってプラスとなることが多いです。

そんな人たちを潰してしまうことは、世界にとって損失でもあるのです・・・。



しかし、そこまで考えが至っている人がどれだけいるでしょうか。

おそらくそこまで多くはなく、少数派なのではないでしょうか。

とても分かりやすい本です

この本ではそんな天才を救う方法も示されています。

それが『共感の神』と本文中では書かれている存在です。



理解者がいるということは天才にとって大きな救いとなるのです。

とても分かりやすい内容でありながら、すごくうまく普遍的な人間関係の仕組みを描いているような気がしました。



こういう本がたくさんの人に読まれていることは個人的にはとても嬉しいです。

少しでも救われる天才が増え、世界がいい場所になっていけばいいな・・・と思います。

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