感想・解説『コンプライアンス 服従の心理』

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気になって観てみたこの作品です。

『コンプライアンス 服従の心理』

『コンプライアンス 服従の心理』(原題:Compliance)は2012年のアメリカ映画です。

監督はクレイグ・ゾベルさん。出演はアン・ダウドさん、ドリーマ・ウォーカーさん、パット・ヒーリーさん等。

2004年頃からアメリカで実際に起きていた『ストリップサーチいたずら電話詐欺』を基にした物語となっています。

story

アメリカのあるファストフード店。朝からトラブル続きの金曜日、店は賑わいをみせていた。

そこへ警察官を名乗る男から一本の電話が入る。その男は、女性店員に窃盗の疑いがかかっていると言い、店長のサンドラに、その女性店員の身体検査を命じた。

警察官の言うことなら―と、サンドラはその指示に忠実に従うことに。しかしこれは、その後数時間にわたって行われる“信じがたい行為”のはじまりにすぎなかった―。

https://web.archive.org/web/20150212065613/http://fukuju-shinri.com/

intro

米大手ファストフード店で実際に起きた事件を映像化2004年、ケンタッキー州のあるファストフード店で事件は起きた。

警察官を名乗る男からの1本の電話により、従業員だった少女が窃盗の濡れ衣を着せられただけでなく、身体検査と称して裸にされ、性的行為を強要されたのだ。

監督クレイグ・ゾベルは不合理極まりないこの事件を、“権威と服従の実験”で有名な[ミルグラム実験]と結び付けて映像化。善悪の判断を超えて人はなぜ権威に服従してしまうのか?という人間の本質に鋭く迫る。

https://web.archive.org/web/20150212065613/http://fukuju-shinri.com/

一本の電話から始まる

『コンプライアンス 服従の心理』という映画を観ました。

この映画は実際にアメリカで起こった事件を基に、アイヒマン実験と呼ばれるものも取り入れながら制作された映画となっています。



舞台となっているのはごく普通のファーストフード店です。

普段より忙しい金曜日の夜、ある電話がかかってきます。



電話は警察を名乗る男からで、従業員の一人である金髪の女性が客の財布からお金を盗んだというのです。

アルバイトの一人であるベッキーという女の子に容疑がかけられ、店長はベッキーのことを調べようとします。

少し怪しいとは思いながらも、『捜査に協力』という名のもと、調べを続けていき・・・。というような話です。

客観的に見れば

ベッキーはあらぬ容疑をかけられ、裸にされて調べられてしまいます。

この様子、端から客観的に観ていればすぐに『何かがおかしいぞ・・・』、と気がつくと思います。



しかし、仮に自分があの店長の立場だったとして、電話に従わないという行動ができたでしょうか・・・。

僕はこの映画を観て、これは決して他人事ではないなと思ってしまいました。



電話の主は言葉巧みに店長を誘導していきます。

『捜査に協力して下さい。』『責任は全て私が取ります。』というようなことを言い、店長に服従を強いてくるのです。



このような言葉や、場面、働いている人であれば多かれ少なかれ見たことあるのではないでしょうか。

さらに忙しい曜日でもあり、本社からのプレッシャーも重なっているとなれば尚更です。

犯人の真意は・・・?

この映画の怖いところはそこにあるなーと思いながら見てました。

客観的に見れば『何してんねん・・・』と思うようなことでも内側に入ってみると誰しもそうなってしまうかもしれません。



結局、最終的に犯人の真意は明らかにはされませんでした。

普通に家族を持つ会社員であることは示されましたが、結局何がしたかったんだ・・・?という。

電話口で人を操作して楽しむ愉快犯だったのでしょうか。

でもこういう人いそうだなーというようなバランスにはなってる気もしました。



こういう割と小さな物語を描いている作品は個人的には結構好きです。

そして、相当低コストで取れる映画なんじゃないか・・・とか思ったりもしました。



『服従の心理』は同じ名前の書籍も刊行されていたりします。

こちらも読んでみたいです。

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