感想・解説『キングダム57』

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3月19日に発売された最新刊です。

内容紹介

朱海平原、中央軍同士の死闘! 十五日目、いよいよ最終決戦へ!

激戦続く右翼は、信と王賁が趙峩龍・尭雲を討ち、趙左翼を突破。
さらに金毛軍も退け、開戦以来画策してきた李牧軍への“挟撃”に成功する。

一方、李牧は傳抵を走らせ、無謀とも言える王翦本陣への突破を図る。戦局は後戻りのきかない最終局面へ!!

https://www.s-manga.net/items/contents.html?isbn=978-4-08-891506-7

戦いは続き

キングダム57巻読みました。

発売は結構前にしていたのですが、なかなか読めずにいましたが今回ようやく読めました。



この巻では、第614話から第624話までの11話が収録されています。

話は前巻から引き続き朱海平原での戦いが続いています。

もうこの戦いも大詰めとなってきていて、決着がつくまでもう後少しというような感じです。



もう大将以外はボロボロというような感じで、いつ大将が討ち取られてもおかしくなくなってきました。

この巻でも戦況は進んでいき、さらに終わりに近づいているというような感じです。

”人”の代表とは

この巻の見所といえば、やはり終盤に出てくる龐煖との戦いでしょうか。

龐煖は圧倒的な武を誇る人物であり、個の強さよりも総体としての強さが測られるこの漫画においては異質な人物です。

彼は圧倒的な”個”の強さをつ追求している人物だからです。



さらに、龐煖と李牧との出会いを含めた過去が語られます。

そして、龐煖が目指しているもの、道として何をしようとしているのかが語られます。



戦いの狭間に時々登場する、こういう語りの部分は個人的にこの作品の好きなところの一つです。

このような語りはこの作品の魅力の一つになっていることは間違いありません。

龐煖の道

李牧は龐煖の道は”人の救済”であると言います。



人を超えし”模”を天に示すことであると。

”生”の営みは一個でもある奇跡の”模”を示した時、全体にもその変化が起こり、皆が一斉に上の存在に昇るというのです。



この考え方・・・とんでもない思想ですよね。

でも、僕はこの思想を聞いて妙に納得してしまいました。

こういう人も確かにいるかもしれない、必要かもしれないと。



要するに、とてつもない存在である誰かが模範となることによって、種全体が一つ上のステージに上がるというようなこの考え方。

よくよく考えると現実の世界においても、決して浮世離れしたものでもないような気もします。



というか、いろんな分野において、これを目指している人は実は結構いるんじゃないかって。

例えば100m走という競技。昔は10秒を切ることはできていませんでした。

しかし、誰かがその壁を破ったことによって、それが可能であることを示したのです。



そうすることで、競技者全体が次のステージへと上がります。

”可能なことなんだ”と思えることは、人のレベルを上げることとなるのです。



こういうキャラは作品全体にとって強い存在感を持つものとなります。

この作品においても異質な強者として強い存在感を放っています。

答えとは

その龐煖の道のことを李牧は冷静に見守っています。

そして自分はその”道を答えに導く者”だといい、主人公の信のことを”答を持つ者”と言っています。



その真意はまだぼんやりとしか分からないのですが、なんとなく言わんとすることは分かるような気がします。

信は個としての強さを追求しながらも、常に他者の存在を意識しています。



実際、龐煖は信と戦いながらもその後ろに見える王騎とも戦っているのです。

それは自分にはない強さだということも理解しつつあるかのように描かれています。



おそらくこの戦いはもう長く続かず、次かその次の巻で終わりそうな気がします。

そして、中国の勢力図も大きく動きそうな予感です・・・。

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