
三部作となっている映画の最後の一つとなります。
『ちはやふる 結び』
末次由紀さんの同名漫画を原作とする映画で、2016年に『ちはやふる 上の句』、続いて『ちはやふる 下の句』が公開され、劇場版3作目として2018年に公開されました。
監督は前2作に引き続き小泉徳宏さん、主演は広瀬すずさんとなっています。
他、野村周平さんや新田真剣佑さん、上白石萌音さん、松岡茉優さん、賀来賢人さんなどが出演しています。
あらすじ
いつも一緒に遊んでいた、幼なじみの千早・太一・新。家の事情で新が引っ越してしまい、離ればなれになってしまうが、高校生になった千早は、新にもう一度会いたい一心で、太一とともに仲間を集め、瑞沢高校かるた部を作った。
「新に会いたい。会って『強くなったな』と言われたい。」
創部一年目にして、全国大会に出場した瑞沢かるた部だったが、千早は個人戦で史上最強のクイーンに敗れ、さらに強くなることを部員たちと誓った。
あれから二年―、かるたから離れていた新だったが、千早たちの情熱に触れ、自分も高校でかるた部を作って、全国大会で千早と戦うことを決意する。一方、新入部員が入り、高校三年最後の全国大会を目指す瑞沢かるた部だったが、予選を前に突然、部長の太一が辞めてしまう。
動揺と悲しみを隠せない千早…。
千早、太一、新は、再びかるたで繋がることができるのか?
http://chihayafuru-movie.com/story/index.html
劇場版の結びとなる
『ちはやふる 結び』は実写の劇場版3作目となる映画です。
末次由紀さんの漫画を原作としている実写版で、映画の結びとなる作品でもあります。
『ちはやふる』の漫画は読んだことはないのですが、劇場版前2作を見ていました。
こういう実写版って、えてしてちょっと微妙な感じになりがちな気がするのですが、この映画はとてもよくできていました。
ストーリーやキャラクターなど、かるたの試合におけるポイントや、勝利のロジックなんかも実はしっかりとしていて、普通に面白い映画です。
原作がしっかりしているという部分もあると思うのですが、映画版の出演者なんかも凄く魅力的です。
なんといっても、松岡さんの演じている若宮詩暢というキャラクター。
劇中で最強のクイーンとして登場しているのですが、本当にはまり役で、あまりにも魅力的すぎます。
新キャラなんかも登場して
この『ちはやふる』という作品は、競技かるたを主題としている青春ものとなっています。
かるた自体はほとんどの人が知っている遊びかもしれませんが、正式に競技としてのカルタはあまり馴染みがないかもしれません。
僕もしっかりとは見た事がないのですが、YouTubeなんかで動画を見ると、これすごいんですね・・・。
札を読んで、本当に一瞬で札を取っていたりして、なんでそんなすぐ分かるの?という感じです。
体力と集中力、瞬発力を要する本格的な競技なんだなという。
この結びではある人物が登場します。
男の名人として登場する周防久志という人物です。
やる気がなさそうに見えながらもカルタの腕は超一流で、目の病気を抱えていたりして、野村さん演じる太一君の師匠ともなる人物です。
個人的にはこういうキャラは結構好きです。
圧倒的な強者というか、それでいてどこか抜けいたりもして、実は弱さを抱えていたりもして。
そして、主人公側の人物に重要な助言なんかを与えたりもするカッコよさもあったりします。
映画の主役となるのは、瑞沢高校のかるた部ではあるのですが、この映画では周りの脇役が本当に魅力的だなと思います。
次へと繋がる
そして、この作品は結びでもありながら、次へと繋がる『継承』の話でもあります。
後輩たちが入ってきて、次の世代へどう伝えるかという部分が描かれていますし、主人公の千早も進路で悩みます。
最終的にはかるたを通じて自分の道を見つけるところで話は終わる事となります。
映画としては終わりとなってはいるのですが、話はまだ続いているんだとう終わり方ともなっていて、いい感じです。
そして、太一くんも一度はかるた部から離れるのですが、最後は戻ってきて、ラストは彼の方に引き寄せた終わり方ともなっていて。
太一くんは、幼なじみの二人と比べると『持たざる者』であり、それを自覚して強くなったという話にもなっています。
ここもいい感じです。
青春ものとして
なんか、青春映画として、普通に傑作なんじゃないかと思いました。
思い返してみれば、細かいところまでよくできてたなーとか思ったりします。
そして、Perfumeの主題歌『無限未来』も映画に合っていていい感じの曲です。
時間があれば3作まとめて見てみるのもオススメです。