感想・要約『サンセット・パーク:ポール・オースター』

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アメリカの作家の小説です。

『サンセット・パーク』

アメリカの小説家であるポール・オースターさんによる著作で、2010年に発表されました。

日本では柴田元幸さんによる翻訳で新潮社から2020年2月に発売。

アメリカの廃墟で暮らす男女を描く話となっています。

作品紹介

この廃屋で僕たちは生まれ変わる。不安の時代をシェアする男女4人の群像劇。

大不況下のブルックリン。名門大を中退したマイルズは、霊園そばの廃屋に不法居住する個性豊かな仲間に加わる。

デブで偏屈なドラマーのビング、性的妄想が止まらない画家志望のエレン、高学歴プアの大学院生アリス。

それぞれ苦悩を抱えつつ、不確かな未来へと歩み出す若者たちのリアルを描く、愛と葛藤と再生の物語。

https://www.shinchosha.co.jp/book/521721/

ニューヨークの廃墟での

ポール・オースターさんの小説である『サンセット・パーク』を読みました。



読もうと思ったきっかけは明確にはなく、たまたまAmazonでおすすめとなっているのを見つけただけです。

内容やレビューを見て、なんとなく面白そうだなと思い買って読んでみました。
(現代的な本の買い方ですね〜)



ポール・オースターさんという方はアメリカ出身の小説家で、他にもたくさんの作品を発表しています。

他の本は読んだことはなかったのですが、ニューヨークのブルックリンを舞台とする作品を多く発表しているそうです。



そして、この『サンセット・パーク』という作品もニューヨークを舞台とする作品の一つです。

中心街からは少し離れているのですが、サンセットパークというところにある廃屋を舞台としています。

いわゆる群像劇的な

この作品はいわゆる群像劇と呼ばれる作品です。

数人の登場人物がいて、それぞれの視点が変わりながら話が進んでいきます。



舞台となっているサンセットパークでの廃屋でそれらの物語は絶妙に交差しながら進んでいくという感じの話でした。

一応の主人公的な立ち位置にいるのがマイルズ・ヘラーという人物です。



彼は名門大学を中退してしまったマイルズは、野心があるわけでもなく、少し複雑な家庭環境の中ニューヨークを訪れることとなります。

そこでサンセットパークの廃屋で暮らし始め、同じような個性的な、若い悩みを抱えているような人たちと同居することとなるのです。

絶妙な空気感をとらえた

アメリカのニューヨークといえば、僕も2回ほど訪れたことがあるのですが、やはり日本とは少し違う空気感の街です。



すごく自由な雰囲気もありながら、夜なんかは結構怖かったりもします。

そして、世界からいろんなものが集まってくる街でありながら、力を入れるべきではないところは良くも悪くもゆるい部分が残っていたりもします。



自由でありながらも、そこには大きな格差があり、決して自由でない人たちもたくさんいます。

そんな街に住むことはたくさんの人にとって憧れでありながらも、ある意味では複雑な街でもあるのです。



この作品の舞台となっているのはそんな街にある廃屋です。

登場人物はそれぞれ悩みを抱えていながらも、なんとか生きていこうともがいている人たちばかりです。

彼らの悩みは日本に生きている自分にとっても決して他人事ではないような気がして、親近感を覚えたりもします。



いい小説は、その地の空気感を伝えながらも、他の土地にいる誰かにもその土地と『つながっている』という感覚を与えたりもします。

それはまさに小説の持っているいいパワーでもあり、世界文学と呼ばれるものはそのような作品が多いです。

他の作品も読んでみたい

ポール・オースターさんの作品は初めて読みましたが、他の作品も読んでみたいなーと凄く思いました。

こういうガッツリニューヨークという街を舞台とした作品って、実はあまり読んだことがなかったような気もして、新鮮な感じもあったりして。



そして、そこに住んでいる人たちの感情や街の空気もよく伝わってきます。

舞台となっているのはいつのニューヨークなんだろう。

作中で書かれていましたか?読み落としていてたらすいません。

(大不況下のニューヨーク、ブルックリンとのことです。)

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