感想・要約『極北:マーセル・セロー』

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極北を描いた長編小説です。

『極北』

ギリスの作家であるマーセル・セローさんによる著作で、原題は『FAR NORTH』。(直訳で極北)

村上春樹さんによる翻訳で2012年に単行本版が発売されています。

その後中公文庫より2020年1月に文庫版が発売されています。(今回読んだのはこの文庫版)

内容紹介

極限の孤絶の果てに、酷寒の迷宮に足を踏み入れた私は――予断をゆさぶり、近未来を見透かす圧倒的な小説世界。村上春樹が紹介する英国の新しい才気。


■著者からのメッセージ

村上春樹氏の翻訳による長編小説『極北』が好評を博しています。
予測を裏切る意外な展開、読み始めたら止まらない軽快なテンポ、どこへ連れて行かれるかわからない緊張感、とことんタフな主人公、強靱で量感たっぷりのストーリー

――多様な魅力をあわせ持ち、訳者あとがきの言葉を借りれば「きわめてユニークな」この作品。著者のマーセル・セロー氏から、このほど日本の読者の皆さんに向けてメッセージが届きました。アイスランドでの取材から帰ってきたばかりというセロー氏の近影と共にどうぞ。(音)

http://www.chuko.co.jp/tanko/2012/04/004364.html

極北を舞台とした

マーセル・セローさんの『極北』という小説読みました。

手にとったきっかけとしては、訳者が村上春樹さんだったこともあるのですが、なんとなーくですが面白い本だろうなというオーラみたいなものを感じたからです。



この本はロシアの極北を舞台としている小説で、そこでの生活などが描かれています。

読み終えてみましたが、結構長く、内容もなかなかに重い作品だなーと思いました。



何を読んでいるんだろう・・・というような感じもありながら読ませる力のある小説でもあり、あっという間だった気もしました。

現実と非現実

この作品は、極北での現実と非現実が描かれています。



少し前に極北の入り口とも言えるウラジオストク へ行ったのですが、1月ということもあり、相当寒かったです。

その時思ったのが、寒さは人の肉体や精神に与える影響が少なからずあるんだな。ということです。

寒さは、人に与える現実的な力を持っているのです。



その様子がこの『極北』でも描かれているような気がしました。

それは極めて人間的な部分だけが残るというか、本当に極限状態になっているようにも思えます。



それに対し、この『極北』は非現実的な描写もある作品です。

この非現実さもまさに『極北』なのかな・・・とか思いながら読んでいました。

極限までの寒さは、ある種非現実的でもあり、意識や認知に異常があるが故のフィクショナルな感じ。

まさにこれも極北なんだろうなーとか思ったりしました。



極北とは人間性が極限まで研ぎ澄まされるがゆえに、フィクショナルな部分へ到達する。そんな場所なのかもしれません。

村上春樹さんの翻訳で

そんな作品を翻訳しているのが、日本人の作家である村上春樹さんです。

この現実性と非現実性を行き来するような感じは、村上春樹的だなーと読み終えてから思いました。



でも、文体や訳し方はあまり村上春樹さんの要素は少なくなっている気がします。

途中『やれやれ』という言葉が一度だけ出てきたりしますが、他は訳者の味のようなものは感じさせないような感じです。



おそらくとしか言えませんが、この本を訳すにあたっては、原作を犯さずに、読みやすいものとして日本の読者に届ける事を意識していたりするのではないかなーとか思ったりして。

一度行ってみたい・・・

読み終えてみて、極北という地にとても興味が湧きました。

生きていくとなると極めて大変であることは間違いなさそうなのですが、一度訪れてみたい土地でもあります。



行くだけでも結構大変なんだろうな・・・とか思ったりもしますが・・・。

それでもとても好奇心煽られる土地であることは間違いありません。

この本読めばその一端が分かると思います。

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