感想・解説『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』大人になった彼らは・・・

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デジモンシリーズの最新映画。
完全なる傑作でした・・・。

『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』

デジモンアドベンチャーシリーズの映画作品で、20周年記念として制作された映画です。

最初期のシリーズのメンバーが大人になってからの話を描いている作品で、2020年2月21日に公開されました。



監督は田口智久さんで、オープニング曲はお馴染みの和田光司さん『Butter-Fly』。

あらすじ

太一やヤマトらが相棒であるデジモンたちとデジタルワールドを旅した夏から10年が経過し、太一は大学生になっていた。

世界では選ばれし子供達の存在も認知されてきていて、デジモンがいる風景も当たり前となりつつあった。



進路に悩んでいる太一だったが、ある日世界中で選ばれし子供だった人が原因不明に意識を失う事件が起きていることを知る。

そして、その事件を調査しているという女性学者のメノアからそれは”エオスモン”というデジモンの仕業だということを聞かされる。



太一やヤマトらはエオスモンを倒すべくデジタルワールドの中へ入っていくのだが、エオスモンに圧倒され、デジモンたちの進化に異変が起きる。

そして、メノアは太一たちに大人になる時、パートナーであるデジモンと別れが訪れることを告げ・・・。

懐かしさだけや、子供向けではない

先日公開が始まった『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』。

昔このシリーズを見ていたということもあり、映画館で観てきました。



とは言っても、見ていたの小学生だった頃のことで、話はあまり覚えていなかったのですが、映画に出てくるキャラクターを見ると少しずつ思い出してきました。

なんとなく、懐かしさをくすぐるようなものであったり、子供向けなのかなーと思いながら観に行ったのですが、そなことはありませんでした。

開始10分ほどで

この作品では『懐かしさ』や、『子供向け的な要素』は開始10分ほどで片付けられてしまいます。

デジモン同士のバトルから始まり、オープニング曲で流れる『Butter-Fly』。

この辺りでもう子供時代見ていた人であれば、結構上がるのではないでしょうか。



でも、それは10分ほどで終わり、その後描かれるのは『無限大な夢の後のやるせない世の中』で、太一やヤマトはどう生きているかを悩んでいます。

とても普遍的で、かつ大切なテーマを扱っている作品でもあり、とてもアダルトな作品でもあると思います。(エロシーンあるわけではないですが)

大人になるということ

大人になった太一は、自分がどう生きていくかを考えなければならない時期が訪れています。

しかし、卒論のテーマも決めることができず、どうするべきなのかを決めきれずにもいます。



同じく、ヤマトもどうすべきかを悩んでいます。

大学院に進学しようとはしているものの、自分でもそれが猶予期間が欲しいだけといういうことを自覚しています。



アニメの中では主人公的な立ち位置の二人だけが、目標を失っているのです。



パートナーとなっているデジモンたちは変わらずそばにいてくれているものの、ずっと一緒にいるわけでもなくなっているような微妙な距離感。

パートナーであるアグモンは太一の家の入るのは初めてだったりと、少しずつ離れつつある彼ら。



そんな中、デジモン研究者として事件を追っているメノアが現れ、デジモンとの別れについての話をするのです。

宿命的な別れ

メノアは、選ばれし子供は大人になることでデジモンと別れることとなることを告げます。

太一やヤマトはそれに驚き、なんとかしようとするのですが、最終的には宿命を受け入れ、前へと進んでいくのです。



これはとても普遍的なテーマでもあり、『帰ってきたドラえもん』や『トイ・ストーリー3』にも通ずるものがあります。

特に、話全体を通して、『トイ・ストーリー3』にはかなり近いものがあるなと思いました。




悪役となる人物も過去に辛い別れを経験していて、同じ痛みを生み出さないよう『偽りの楽園』を作り出そうとします。

そこに留まっていることこそが、幸福なのだと彼女は信じているのですが、最後には太一たちに敗れます。



『永遠のネバーランド』という偽りの楽園から抜け出し、先へ進んでいくのです。

おそらく、『LAST EVOLUTION』とは、最後の別れのこと行っているのではないかと思いました。



大人になれば得るものもあれば、失うものもある。

その失うものを受け入れていく話なのです。

別れのシーン

そして、最後の別れのシーンは結構感動的です・・・。

別れの前に言うセリフも見事。



『Butter-Fly』の歌詞にある「明日の予定も分からない」にかけているセリフがあり、その後突然いなくなっているという演出。

うまいな・・・という感じで。



ラストは太一もヤマトも自分の道を見つけ、先へ進んでいく様子もちょっとだけ描かれていたりして。



とてもいい映画でした。

というか、続編として、完結篇として完璧じゃないですか?この作品。

大傑作です。

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