
今更ながらの感想。
『DEATH NOTE』
大場つぐみさん原作、小畑健さん作画による日本の漫画です。
週刊少年ジャンプにて2003年から2006年にかけて連載されました。
単行本全12巻の作品でありながら、総計3000万部以上を売り上げているヒット作品。
連載終了後も、映画、ドラマ、アニメ、小説、ミュージカルなど様々なメディア展開が続いている作品です。
あらすじ
高校生である夜神月は学校の校庭で一冊の黒いノートを拾う。
DEATH NOTEと書かれたそのノートには、名前を書くことで人を殺す力があると書かれていた。
最初は信用していなかった月だったが、ノートの力を検証しそれが本物であることを確信する。
そして、ノートの所持者である死神リュークの姿が月には見えるようになる。
月は自分の正義を信じ、世界中の犯罪者を裁き、より良い世界を作るべく動き始める。
人々は次第にその裁きの存在に気づき始め、『キラ』と呼ぶようになる。
一方でキラの存在を認知した国際警察は、世界中の警察を動かすことのできる名探偵『L』にキラ事件の操作を依頼することとなり・・・。
15年も前のこと
『DEATH NOTE』は2003年に連載が始まった漫画です。
今となってはもう15年以上前のことになるのか・・・。
当時僕は高校生で、この漫画をとても楽しみに読んでいました。
そして多くの衝撃を受けた作品でもありました。
この漫画はジャンプで週刊連載されていて、3年ほどで完結しています。
しかし、今でもたくさんのメディアにおいて何かしらの展開が続いている作品でもあります。
それはいかに、この作品の持つ力が大きいかということに他なりません。
思考実験的な
この漫画はある種の思考実験な話となっています。
物語の大筋はとてもリアルな現実世界が描かれています。
そこにある『異物』が入り込んできます。
それは名前を書くことで人を殺すことのできる『DEATH NOTE』という死のノートです。
それに伴う死神の存在が、この作品の始まりとなっています。
一つだけ存在する大きな虚構があり、それを手にした人間が、世界がどうなるかということを描いている作品です。
心理バトル的な
この作品を読んだ人がまず思うことは、文字多すぎる!
ということではないでしょうか。
正直、今までここまでたくさんの文字がある漫画を読んだことはありませんでした。
でも、それをしっかりと読んでいき、しっかりと理解できた時この作品の持っている面白さを理解することとなります。
そして、こんな話作った人すごいな・・・と思いました。
実は結構な少年漫画的なバトルものとも見ることもできます。
決して直接的な暴力ではありませんが(死は一番の暴力かもしれませんが・・)、主人公である夜神月とL、その後継であるニア・メロとのバトルは本当に痺れます。
後の漫画界にも大きな影響を
そして、この作品は後の漫画界にも大きな影響を与えている作品であると思います。
まずは美しい物語の『終わらせ方』を示したことです。
この作品は、この上なく美しい形で物語が終わります。
週刊連載の少年漫画は、まずは続けることが求められます。
そしていい作品は読者に背反する感情を与えます。
それは『早く続きを読みたいけれど、終わって欲しくない・・・』という思いです。
ジャンプで看板となっている『ONE PIECE』や『HUNTER×HUNTER』なんかはまさにこういう思いを植え付けます。
早く読みたいよ!でも、終わらないでほしい・・・というような。
そこが難しく、ある種のジレンマにもなっているような気もします。
だらだらと続けることは果たしていいことなのか?というような時もあったりして。
このDEATH NOTEはとても綺麗に作品を終わらせています。
作者が描くべきことと書き切り、人気がある状態で終わらせるという一つの形を示したような気がしています。
二人タッグでの
そして、もう一つが原作担当と作画担当が分かれての作品作りという点です。
これは遡ればもっとあるのかもしれませんが、この作品の成功の要因の一つはそこにあるような気がしています。
ここまでの物語と、クオリティの高い絵。
果たして一人で週刊連載で作ることができるのでしょうか?
僕は漫画家ではありませんが、話を聞いたりする限りそれはとても大変なことです。
しかし、DEATH NOTEではそれを分業し、それぞれが役割に集中することで実現しています。
どちらもとてもクオリティの高いものとして仕上げることを実現していると思います。
おそらくこのような形を取る作品は、これからも増えていくのではないでしょうか。
いろんな人がいろんなことを語っている
DEATH NOTEは本当にすごい作品で、社会的なブームのようにもなっていました。
たくさんの人が読み、たくさんの人がいろんなことを語っています。
当時高校生だった僕も、友達や兄弟といろんな話をしたと思います。
それはやはり、作品が強い力を持っていて、単純にめちゃくちゃ面白いからに他なりません。
おそらくこれからも僕は定期的にこの作品を読む気がします。
そして、読むたびに新しい発見があったりもします。
しっかりと理解したつもりになっていたのに・・・という発見があったりもするので・・。