感想『ポートレイト・イン・ジャズ:和田誠・村上春樹』二人ともジャズ好きすぎます

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二人によるジャズ紹介本のようなものです。

『ポートレイト・イン・ジャズ』

イラストレイターである和田誠さんと、作家・村上春樹さんによるエッセイ集です。

単行本は1997年に発売され、本書と続編である『ポートレイト・イン・ジャズ2』を合わせ、さらに書き下ろし3篇を加えた文庫版が2004年に発売されました。


1992年に和田誠さんがジャズミュージシャン20人のイラストを描き、『JAZZ』という個展に出品したことが始まりとなっており、その絵が村上春樹さんの目にとまり、それぞれの人物にエッセイとして文章をつけることになったとのこと。


それらは『芸術新潮』にて掲載され、その後和田さんが『SING』という展覧会で再度描いたジャズミュージシャンたちの絵も加えたものが単行本として刊行されました。


今回読んだのは、新潮文庫より刊行されている文庫版です。

全55名のジャズミュージシャンが取り上げられていて、それぞれ4ページほどの村上さんの文章に加え、和田さんの絵1枚がセットとなる形で掲載されています。

ジャズ愛好家二人による

『ポートレイト・イン・ジャズ』はイラストレーターである和田誠さんと、小説家の村上春樹さんによる、一言で言うならば『ジャズ紹介本』です。

この二人、10代でジャズと出会い、それから今に至るまで(最低限、執筆時期までは。おそらく今も)ジャズという音楽を愛しています。


この本ではそんな二人が熱心に聞いてきたミュージシャンの音楽を2つの方法で語るというものとなっています。

それは『絵』と、『文章』です。

和田さんはジャズミュージシャンの絵を描き、それを見た村上さんが文章をつけるという形式となっています。


扱われている人は全部で55名(グループ)。

ビル・エヴァンスや、マイルス・デイヴィス、チャーリー・パーカーなどの僕も知っていた人もいれば、全く知らないような人もたくさん紹介されていました。

ジャズの知識に関わらず

各ミュージシャンそれぞれ綺麗に6ページずつとなっています。

村上さんの文章が4ページ、和田さんの絵が1ページ、そしてミュージシャンの簡単な経歴とおすすめLPジャケットのページが1ページとなっています。


300ページほどの本ですが、ジャズの知識の量に関係なくとても読みやすく、二人のことを好きな人ならば楽しめる本となっていると思いました。

僕もジャズのことは決して詳しいというわけではありません。


読み終えてみても、知っていた人は5〜6名ほど・・・。

それでも、知っていた人はこういう解釈もあるんだという風に読めましたし、知らないほとは単純に「こんな人いたんだ」という風に読めます。


そして、知らない人の音楽も聞いてみたいとすごく思いました。

二人のジャズ愛が溢れている

読み終えてみて、思ったことは・・・

この二人ジャズ好きすぎる!
そして、ジャズミュージシャンたちに対する惜しみないリスペクトを払っているな・・・ということです。


10代の頃からずっと聞いているというだけあって、本当にジャズに詳しい二人なんだな・・・と思いました。


ジャズは必ずしも歌詞などがある音楽ではありません。

基本的には聴く側にも解釈が委ねられている自由度の高い音楽です。


同じ音楽を聴いても、何を受け取るかは人それぞれなのです。

そんな音楽に対して、何かを書くというのは決して簡単なことではないと思います。


しっかりと、ある種の意思を持って聞かなければならないからです。

そして、その中で自分が感じたことを、和田さんは絵として、村上さんは和田さんの絵も合わせて文章として表現しています。


音楽を聴いて、絵を描き、その絵と音楽を見て、聴いて文章を書く。

それぞれの芸術が共鳴し合っているな・・・というようなことが分かる本です。

いろんな人いるんだな・・・

この本を読み終えて思うことは、早くいろんな人のジャズ聴きたいな・・・ということです。

本当にいろんな人がいて、それぞれ人生と物語があります。


それらは音楽にも現れているのです。

ジャズミュージシャンは短命だったり、ドラッグに溺れたりしている人も多いんだな・・・ということも知りました。


30歳前に亡くなっている人も結構いたりして。

それでも、音楽は作品として残っていて、こうやって後世の人たちの耳にも届いている。


それもやはりすごいな・・・と思いました。

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