
海外へ行く飛行機で見た映画シリーズ二つ目です。
『億男』
2014年に刊行された川村元気さんの小説『億男』を原作とする日本映画で、2018年10月19日に公開されました。
監督は大友啓史さんで、主演は佐藤健さん。
他、高橋一生さん、藤原竜也さん、池田エライザさん、北村一輝さん、黒木華さんなどが出演しています。
主題歌はBUMP OF CHICKNの『話がしたいよ』。
あらすじ
大倉一男は、妻と娘と3人で暮らしていたが、ある日失踪した兄の借金を肩代わりさせられることとなる。
日中は図書館の司書として、夜はパン工場でも働き、懸命にお金を返していくが、借金はなかなか減らず、妻と娘も愛想をつかされて出ていってしまう。
なかなか希望を見出すことのできな買った一男だったが、ある日宝くじで3億円を当てる。
高額当選に喜ぶ一男であったが、ネット上には、高額当選者の悲惨な末路がたくさん書かれていた。
そこで一男は大学時代の友人であり、大学中退後は起業し大成功していた九十九の元を訪ねる。
このお金をどうするべきかアドバイスを求めに行った一男だったが、その夜はお酒に酔ってしまい眠りについてしまう。
朝、目を覚ますと九十九は3億円とともに姿を消しており・・・。
川村元気さん原作の映画です。
映画『億男』。
これもアメリカへ向かう途中の飛行機の中で見ました。
劇場でやっている時も存在は知っていたのですが、なかなか時間を取ることができず、結局見ることができずにいた作品です。
原作は川村元気さんの同名小説で、4年ほどの期間をあけて映画化されました。
川村元気さんは、『君の名は。』など、たくさんのヒット作に関わっている人で、いわゆる『普通の人たち』のニーズに応えるのがとても上手い人です。
若干、志の無さというか、魂が無い印象を受けなくもないのですが、作品を見るとしっかりと面白いと思えるものが多いのも正直なところです・・・。(それが凄いところ)
『君の名は。』なんかは、劇場で3回ほど見てしまったような気がします。
そんな川村さんの書いた小説が『億男』という作品です。
お金とはなんでしょうか?
この映画で描いていることは、ズバリ『お金とは何か』というものです。
これはなかなか答えを出すことのできない問いでありながら、ほぼ全ての人が逃れることのできない問いです。
主人公の一男は、兄の借金を抱えている人物です。
そして、その理不尽とも言える借金によって家族からも愛想をつかされてしまった少しかわいそうな人物でもあります。
『お金さえあれば・・・借金さえ返せれば・・・なんとかなる』と思っている一男は宝くじで3億円を当てるのです。
そんな彼を通して、見ている側は『お金とはなんなのか』ということを考えていくこととなります。
お金に対する様々なスタンス
作中では、お金に対して様々なスタンスで接している人たちが登場します。
しかし、明確な答えは決して用意されてはいません。
そして、お金があれば幸福、無ければ不幸というような直線的な話でも無いと思います。
個性的な登場人物たちを見て、本当に大切なものは何かを問いかけている映画だと思います。
僕個人としても、お金が一番重要だとは思いませんが、とても重要なものであることに違いはなく、『あるに越したことはない』と思っています。
お金があることは『選択』ができるということでもあると思うからです。
例えば、働かなくて済むだけのお金が仮にあれば、好きな仕事であれば働くという選択もできますし、働かないという選択をすることもできます。
お金とは『可能性』の象徴とも言えるのかもしれません。
見終えてみて
見終えてみて、『お金とは何か』を考えるいいきっかけになる作品だと思います。
若干、話の筋や、キャラの描きこみが浅いような部分もあるような気もしますが・・・全体としてとても見やすい映画となっていました。
そして、日本人はこういう話好きな人多いだろうな・・・ともすごく思いました。
さすがは川村元気さん・・・。
そして、俳優さんたちは全員さすがだな・・・という感じです。