
一週間ほどアメリカ旅行へ行っていました。
飛行機でたくさん映画見たので、感想書いていきます。
『泣き虫しょったんの奇跡』
プロの将棋棋士である瀬川昌司さんの伝記を元にした映画で、2018年9月7日に公開されました。
監督は又吉直樹さん原作の映画『火花』でも脚本を務めた豊田利晃さん。
主演は松田龍平さんとなっています。
他、RADWIMPSの野田洋次郎さんや、永山絢斗さん、染谷将太さん、渋川清彦さん、早乙女太一さん、駒木根隆介さんなどが出演しています。
実話と元とした話となっていて、将棋のプロへの新しい道を切り開いた瀬川晶司さんの話となっています。
あらすじ
将棋好きの少年瀬川昌司(しょったん)は、隣に住む同級生である鈴木悠野と日々将棋の対局を楽しんでいた。
ある日父親は二人を街にある将棋道場へと連れて行き、二人の少年はそこでさらに腕を磨く。
そして、しょったんは将棋のプロ棋士を目指すべく奨励会へと入会することとなる。
そこはプロを目指す棋士がしのぎを削る場所であり、26歳までにプロと認められる4段になれなければ退会という厳しい決まりがあった。
プロになるチャンスはまだまだ残っているそ思っていたしょったんだったが、その機会は1回2回と減っていき、プロになる夢は叶わないまま奨励会を去ることとなる。
プロの夢は諦め、大学を卒業しサラリーマンとして務め始めたしょったんだったが、再び将棋の面白さを思い出し・・・。
実話を元にした
『泣き虫しょったんの奇跡』は2018年に公開された日本映画です。
正直、この映画があったことは全く知らなかったのですが、海外へ行く飛行機に入っていたので見てみました。
見終えてみて、本当にいい映画でした・・・。
これは実話を元にされていて、主人公のしょったんは実際にいるプロ棋士の瀬川昌司さんという人です。
将棋のプロになるためには、奨励会という場所で結果を残し、4段に昇格することが条件となっていました。
そして、26歳という年齢制限があり、それまでに昇格することができなければ問答無用で退会することとなる厳しい世界です。
これは、将棋だけに打ち込んできた人が、ダメだった場合に一般社会へ戻ることができる様にという意味合いもあるそうなのですが、なかなかに厳しいルールでもあります。
この瀬川昌司さんという人は、その年齢制限で一度プロの道を断たれながらも、その後実力を示すことで、将棋界の常識や古いルールを変えた人なのです。
彼の半生を描いた作品となっています。
とても静かな映画
映画は全体を通してすごく静かに、淡々と進んでいきます。
まさに将棋の駒を一つ一つ進めていくかの様に進んでいく映画です。
しかし、途中結構な出来事が起こっていたりもします。
しょったんが年齢制限で奨励会を去るシーンや、父親が事故で亡くなってしまうシーンなど、決して軽くはない事件が起こっていないわけではないのです。
それでも、この作品はずっと肯定的な雰囲気というか、どこか平和な雰囲気が漂っている映画です。
そして僕は原作も未読で、予備知識が全くなかったというのもあるかもしれませんが、少し先が読みずらい映画でもあるところも面白かったです。
最初は、松たか子さん演じる担任の先生との話なのかなーと思っていたらそんなこともなく。
幼馴染の悠野とのライバル関係や友情の話なのかと思っていたら、彼も次第に、自然にフェードアウトしていきます。(終盤出てきますが)
奇跡というタイトルがついているので、最終的なオチはなんとなくわかっていましたが、それまでの軌跡はなかなか読めませんでした。
将棋という世界の厳しさ
この映画を見て、将棋の世界って本当に厳しいんだな・・・と改めて思いました。
プロを目指す奨励会には、小さい頃から将棋だけに打ち込んできた様な人ばかりが集まっています。
しかし、それでもプロになれる人は一握りで、26歳までになれなければ年齢で切られてしまうのです。
奨励会の人たちが、しょったんの家に集まっているシーンがあったりするのですが、この様子はとてもリアルだな・・・と思いました。(実際に見たことはないのですが・・・)
将棋と向き合うことを避け、ゲームをしたり競馬をしたり。
時間制限があるがゆえに、そこと向き合うことを避けてしまうのです。
この気持ちなんとなく分かります・・・。
最終的に
最終的にしょったんは、今までになかったルートでプロ棋士となる第一人者となります。
そして、将棋界に新しいプロの道を切り開いたのです。
確かに言われてみれば、年齢で切られてしまうというのはよくよく考えるとおかしな話です。
然るべき実力があるのであれば、その人がプロとなれるのが普通のことだと思います。
実際には、奨励会ではないルートでのプロ入りはなかなかに厳しい道ではあるそうなのですが、『道がある』ということはとても大切なことな気がします。
そして、この映画。主役級の俳優さんが結構ちょい役で出ていたりします。
藤原竜也さんや、妻夫木聡さん、松たかこさんなど・・・・
そして、RADWIMPSの野田さんが重要な役で出ているのも面白いところ。
『SRサイタマノラッパー』シリーズの駒木根隆介さんも出ています。
見終えてみて、僕はとても前向きな気持ちになりました。
勝負の世界の厳しさを描きながら、将棋そのものの面白さも描いています。
全員が全員羽生さんや、藤井聡太君の様にはなれないかもしれないけど、将棋はとても面白いものなのだと思える様な、そんな映画となっていました。