感想『羊の木』過疎の進む港町で

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少し前に見た日本映画です。
感想書きます。

『羊の木』

山上たつひこさん原作、いがらしみきおさん作画のの漫画である『羊の木』の実写映画版。

2018年2月3日に公開されました。


監督は『桐島、部活やめるってよ』や『紙の月』などで知られる吉田大八さん。

主演は錦戸亮さんで、他、北村一輝さん、優香さん、市川実日子さん、松田龍平さんなどが出演しています。


漫画原作となっているものの、設定などが若干変更されています。

あらすじ

富山県の魚深市は過疎化の進む港町であった。

月末一は市役所の職員として魚深市で働いていた。


そんな魚深市にて、元受刑者を移住させるという極秘のプロジェクトが進められることとなる。

職員である月末は、言われるがままに移住者を一人ずつ迎えることとなるのだが、次第に違和感を感じ始める。


移住者たちはそれぞれ仕事も見つけ、穏やかに暮らしていく様に思えたが・・・。

漫画原作の

少し前に見た映画『羊の木』。

結構ハードな内容の映画でしたが、面白い映画でした。


原作は読んではいなかったのですが、原作読まずとも十分に理解できる映画でした。


舞台となっているのは富山県の魚深市という架空の町。

過疎化が進んでいる港町です。


そんな町で元受刑者を移住させるというプロジェクトが極秘で進められることとなります。


月末(つきすえ)という市の職員はそれを知らされることなく、移住者たちのアテンドをすることとなります。

一人、また一人と移住者がやってくるのですが、みんなどこか違和感のある様な人たちばかりで、そんな移住者たちとの様子を描いた話となっています。


この町。架空の町なのですが、今僕の住んでいる町ととてもよく似ています。

決して人がいないわけではないのですが、どこか活気がなくさびれている様な。そんな町です。

移住計画

この受刑者を過疎地へ移住させるというプロジェクト。

この様なことは実際にあるのでしょうか。


実施にはなかなか難しい話なのかも知れませんが、うまくいけば双方にメリットのある話でもあると思います。


居場所を失いがちな元受刑者たちは居場所を見つけることとなり、過疎の進んでいる町には人が増えることとなります。


しかし、映画でも描かれている様に実際はそんな簡単なことではありません。

逃れられない過去が彼らには付きまとい、彼らの存在が周りに影響を与えていくこととなります。


一人の人間として接しようと努力してみても、人はどこか先入観を持って接してしまいます。

そして、それは少なからず相手にも伝わります。

その小さな反応が積み重なり、次第に大きな感情へともなりうるのです。


さらに、彼らは6人同時期に移住していくることとなります。

彼ら同士が接触するのを避ける様に月末の上司は言うのですが、小さな町でそれも難しいのです。


そんな彼らが出会うこととなってしまうお祭りのシーンがあります。

ここはなかなかの緊張感で、実際にある事件が起きることとなるのです・・・。

のろろ

そして、結構な時間を割かれて描かれているのが祭りのシーン。

ここは監督のこだわりの様なものをすごく感じるのですが、なぜここまで時間を割いて描かれているのかというその意図の全ては、正直分かりませんでした。

が、きっと重要な意味があるに違いありません。


そして、映画の最後は少しSFチックは描写もあったりします・・・。


それにしても、この映画の受刑者を演じている人たち、本当にうまいな・・・と思いながら見てました。

北村一輝さんの小ふざけている感じや、松田龍平さんの一見普通そうだけど、何かを秘めている感じ。

水澤紳吾さんのあの絶妙な感じも凄いな・・・と。

とても見応えある

決して娯楽的な映画ではありませんでしたが、見応えのある映画でした。

途中現実離れする様なところも、映画的な飛躍としてとてもいい効果な気がしました。


そして、何よりも主演の錦戸亮さん。

とても男前なんだけど、どこか頼りなさげで、好きな女性からも相手にされていない様な感じの絶妙な役をとても上手に演じていると思います。


なかなか奥深い映画でした。

誰しもが持っている、目を背けたくなる様な感情を見せられる様な映画です。

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