
クリンスト・イーストウッドの監督作品。
見たのは少し前ですが感想書きます。
『15時17分、パリ行き』
クリント・イーストウッド監督作のアメリカの伝記映画で、2018年に制作・公開されました。
2015年に実際に起きた、フランス・ベルギー・オランダ・ドイツをつなぐ高速列車タリスでの銃乱射事件を描いた作品です。
主演として、実際にその列車での銃乱射に立ち向かった3人の青年が出演しています。
アメリカでの公開は2018年2月9日、日本では2018年3月1日に公開されました。
あらすじ
幼馴染であるスペンサー、アンソニー、アレクの3人は問題児として教師から目をつけられていながらも、気の合う友人として少年時代を過ごしていた。
ある日、3人は家庭の事情などで別々となってしまうのだが、大人になった3人はヨーロッパを旅行する計画を立てる。
当初は行く予定のなかったフランスのパリだったが、3人はアムステルダムからパリ行きの高速列車タリスに乗り込む。
列車に乗り込んだ3人は、インターネットが通じないことに不満を感じ1号車へと移動する。
1号車は快適で、3人は眠りにつくのだが、突然車内には悲鳴が鳴り響き・・・。
イーストウッド監督作品
『15時17分、パリ行き』は2018年に公開されたドラマ映画です。
監督は数々の作品を生み出しているクリント・イーストウッドさん。
イーストウッド作品は、過去の作品はあまり見れていないのですが、最近の作品は必ず劇場で見る様にしています。
この作品は、自分が映画にすごくハマっているときに見た作品で、こんな映画もあるのか・・・とすごく感じたのを覚えています。
この作品は実際に起きた高速列車内での銃乱射事件を元にしています。
3人の青年がヨーロッパ旅行中に遭遇した事件を描いた作品となっています。
本人らが出演
この作品の1番の特徴といえば、何よりも主演の3人が実際に事件に遭遇した本人たちだということです。
当初は、プロの俳優がキャスティングされていたのですが、急遽イーストウッド監督の意向で彼ら3人が出演することとなったそうです。
こんなことってあるんですね・・・。
現実で起きたことを描いた作品はたくさんあります。
少し前に見た『フォクスキャッチャー』なんかもそうですし、同じくイーストウッド監督の『インビクタス 負けざる者たち』なんかもそうです。
しかし、いずれも出演しているのはプロの俳優さんで、本人が出演している様な作品は見たことがありません。
(知らないだけで、あるのかもしれませんが)
このキャスティングが映画にとってどの様な影響を与えたのかは賛否両論あるのかもしれませんが、個人的にはプラスとなっているのではないかと思いました。
なんともいえないリアルさ
この映画は、途中までイマイチ何を見ているのか分からない部分があります。
主役の3人の人生を見せられている映像が続いていくだけの様に思えるからです。
さらにそれを演じているのは、現実世界の本人たちなのです。
本人が本人の人生を演じているという、とても不思議な映像となっているのです。
途中、クラブで遊び尽くす様なところもあり、一体なんなんだこれは?という感じです・・・。
しかし、終盤突然に事件は起こります。
乗っていたパリ行きの列車で銃乱射事件が起こるのです。
3人は銃を持っている犯人に勇敢に立ち向かい、犯人を制圧することとなるのです。
『何かが起こるだろう』と分かりながら
この映画、終盤の盛り上げはさすがだなと思いました。
見ている側は『15時17分のパリ行きの列車で何かが起こるのだろう』ということが分かっています。
映画のタイトルとなっていることもあり、3人が15時17分のパリ行き列車に乗り込んだ時、「あ、何かが起こるぞ・・・」ということが分かるのです。
そこへ向かっている話でもあり、見ている側はキタキタキタ・・・となる様になっています。
そして、この映画のクライマックスともなっている事件が起こり、映画は終わりへと向かっていくのです。
最後は3人は勇敢に犯人へ立ち向かった英雄として、勲章をもらうことなります。
ここはまさかの、実際に報道された映像も織り交ぜられているシーンとなっているのです。
とても不思議な作品
この映画はある意味でとても不思議な作品となっています。
ストレートな娯楽作品かといえばそうではありませんし、ドキュメンタリーかというと微妙にそうでもありません。
言うなれば、この事件のことを知ったイーストウッド監督から3人ヘ向けた『改めての祝福』の映画なのかもしれません。
いろんな感想を抱く人がいるのかもしれませんが、個人的にはとても好きな作品でした・・・。