感想・解説『おわりもん:高須光聖』書き下ろし小説

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この人のラジオはめちゃくちゃ聞いてました。

『おわりもん』

ダウンタウンの幼馴染であり、放送作家である高須光聖さんによる書き下ろし小説で、2019年8月28日に発売されました。

350ページ程の単行本で、幻冬社より刊行されました。


高須さんはダウンタウンのほぼ全ての番組に加え、ロンドンハーツやめちゃイケなど、数多くの人気番組を担当する売れっ子放送作家です。

自身もラジオなどの媒体に出演することもあり、『放送室』は松本人志とともにパーソナリティを務める番組で8年に渡り放送されていました。(2001年〜2009年)

あらすじ

舞台は戦国時代。

明智光秀による本能寺の変を乗り切った織田信長だったが、その首を狙うものは多く、戦国の世はますます荒れていた。


そんな中、仕事も家族もない『おわりもん』と呼ばれる者たちがいた。

そんな『おわりもん』として自由気ままに生きる五郎左衛門と又兵衛は初めて参加する戦に息巻いていた。


しかし、二人は戦の前日に深酒してしまい戦に遅刻してしまうこととなり・・・。

売れっ子放送作家の書き下ろし

放送作家という職業があります。

彼らはテレビ番組の企画や構成、脚本などに関わる、テレビを陰で支えている人たちです。


少し前まではあまりメジャーな職業ではなかったかも知れませんが、今となっては結構人気のある職業ともなっているのではないでしょうか。


好きな放送作家は誰ですか?と聞かれたら僕はすぐさま高須光聖さんの名前を挙げます。

高須さんは、ダウンタウンの小学校の時からの幼馴染であり、今だに一緒に番組を作り続けている人でもあります。


そして、ダウンタウンの番組だけでなく数多くの人気バラエティ番組に関わっている放送作家でもあります。

今も放送されている『ロンドンハーツ』や千原ジュニアさんとケンドーコバヤシさんが出演している『にけつっ!!』などにも携わっています。


高須さんは間違いなく、今の日本のバラエティを作り上げてきた一人といって過言ではありません。


『おわりもん』はそんな高須さんによる書き下ろし小説です。

戦国時代を舞台としている歴史小説で、全5章からなっています。

歴史小説

『放送室』というラジオ番組は大好きで、とてもよく聞いていました。

今でも寝る前に聞いていたりするときもあります。


ラジオはとてもシンプルなメディアです。

純粋に喋りのみで番組を作り上げなければなりません。


それは喋りを仕事にする人にとっては、その真価が問われるメディアであるとも言えると思います。

『放送室』は本当に面白い番組でした。

ダウンタウンの松本さんのすごさが分かるとともに、幼馴染の高須さんと楽しそうに話している様子を聞くことができます。


『おわりもん』は家族も仕事もないが故に自由な二人が、戦国時代を生きている様子を描いている小説です。


第1章の『賽の目坂』は吉本の100本映画という企画で、高須さんが撮っている映画と同名タイトルのものです。

確か、板尾創路さんや、ロバートの秋山さんなどがが出演しています。
(これは残念ながら見れてはいません・・・。)


なんとなく、個人的には高須さんが時代小説を書いているのは意外だなと思いました。

もっと現代的な流行に即したものを書きそうな気がしていました。


しかし、読んでみるとなぜ高須さんがこのような小説を書いたのか分かったような気がしました。

なぜ小説を書いたか

高須さんがなぜ小説を書くことになったのかというコメントをどこかで見た気がします。


小説はとても個人的な営みであり、そこで何ができるかを試したかったというようなことを言っていました。

(このコメントどこで見たかは忘れてしまいました・・・。なんだったっけ・・・。)


おそらく、テレビは決してそうではありません。

テレビはたくさんの人が必然的に関わってきます。


それは必ずしも楽しいことばかりではないと思います。

おそらく、面倒なことも多いのではないでしょうか・・・。


そんな中で、小説を書きたくなるというような気持ちはなんとなく分かるような気がします。

僕も会社で働いていると、個人で何ができるのか試したくなるようなことがあります。

とても読みやすい

若干、時代背景にそぐわない言葉使いなどが気になる部分も無くはないですが、とても読みやすい小説だったなと思いました。

さすが、売れっ子放送作家と言うべきか、体臭が受け入れやすい売れ筋のようなものが分かっているなと思いました。


個人的には、ラジオ番組の『放送室』。これ復活して欲しいな・・・。

これは本当に面白い番組でした。

それにしても、『放送室』終わってからもう10年も経っていたのか・・・。

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