感想『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』

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サイタマノラッパーシリーズの3作目となります。

『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』

『SRサイタマノラッパー』シリーズの3作目となる作品で2012年4月14日に公開されました。

監督は引き続き入江悠さんで、前作に引き続き駒木根隆介さん、水澤紳吾さんなどが出演しています。


栃木を舞台とした作品で、1作目に出演していた奥野瑛太さん演じるMC MIGHTYが主役となる作品です。

あらすじ

埼玉の田舎でIKKUやTOMとともにSHO-GUNGというグループを組んでいたMIGHTYは、埼玉を離れ東京へ移り住んでいた。

『極楽鳥』というラップグループの下っ端として、いつしか舞台に立つことを目指していたMIGHTYはとあるMCバトルで好成績を収める。


しかし、そのバトルの決勝で『極楽鳥』のメンバーからわざと負けるように指示を受ける。

不本意ながらも指示に従ったMIGHTYだったが、それが原因で『極楽鳥』のメンバーと揉めてしまい暴力事件を起こしてしまう。


逃げるように東京を離れたMIGHTYは、栃木で暮らす事となる。

そこで平穏に暮らしているように見えたMIGHTYの元に、フェスを開くという話が来る事となり・・・。

SRシリーズ3作目

人気シリーズで、個人的にとても好きな『SRサイタマノラッパー』シリーズ。

ロードサイドの逃亡者はその劇場版3作目となる作品です。


栃木を舞台としていて、1作目に登場していたMIGHTYのその後の話を描いたものとなっています。


1作目、2作目は話の流れ的にはとても似ている作品でした。

HIPHOPと遠いところにいながらも、惹かれてしまっている人たちが、カッコ悪いながらも自分の言葉を獲得し、少しだけ前へ進むというような話です。


しかし、今作はそのような流れとは違った作品となっています。


今作でフォーカスされているMIGHTYは東京でラッパーとしてステージに上がることを目指しています。

今作では今までの作品ではあまりなかった『かっこいいラップ』のシーンがしっかりと描かれています。


冒頭の『極楽鳥』のシーンにしてもそうですし、MCバトルのシーンでもそうです。


本物のラッパーが多く登場しているのもこの映画の特徴です。

ラップがかっこよく成立している場というものが描かれているのです。

東京から逃げ出して

そんなMIGHTYは東京で一悶着あり、栃木へと逃げる事となります。

そこに登場するのがこのシリーズの主人公とも言えるIKKUとTOMです。


彼らはフェスが開かれるということを知り、オーディションのために栃木を訪れています。

そして、彼らはそのオーディションの場で同じくラップをやっている征夷大将軍というグループと出会う事となります。

  
MIGHTYの話とIKKUたちとの話はとても対照的に描かれています。


IKKUたちのシーンは平和的に幸福に描かれているように見えます。

IKKUたちは始めて仲間と呼べるような人たちと出会うのです。

そして、同じくHIPHOPに惹かれてしまっているものたち同士、一緒にステージに上がる事となります。


その一方でMIGHTYはどんどん追い詰められていきます。


その終盤の様子は本当に胃がキリキリと痛むほどでした。

MIGHTYはRAPの世界から離れ、生活を成立させているように見えて、決して満たされていくことはありません。


最終的に逃げ場が無くなるほど追い詰められ、そこでIKKUたちと再開するのです。

最後のワンカットのシーンは本当にすごいです・・・

栃木で開かれるフェス

この作品は舞台が栃木となっています。

この北関東の田舎の描写はとてもリアルだな・・・と思いながら見てました。


絶妙に胡散臭さのある音楽フェス。

このようなフェスは実際にあります。

実際に茨城で似たようなフェスを見たことがあります・・・。


そして、あの悪ガキたちの姿・・・。

あんな感じのヤンキー感の子供も結構なリアリティです。

北関東の絶妙な閉塞感をとても上手く描いていると思いました。

最後に

サイタマノラッパーシリーズはどの作品にも熱さのようなものが込められていて、とても好きです。

『誰から何を言われようとも嫌いになれない何かに執着する話』を描いているような作品はとても好きです。


最後にMIGHTYとIKKUとTOMが話をするシーンもなかなかすごいです。

このシリーズ・・・もっとたくさんの人に見て欲しいな・・・・。

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