感想『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM ”完成”』後世に残すべく作られたコント集

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ダウンタウン松本さんのコント作品集です。

『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM ”完成”』

芸人ダウンタウンの松本人志さんが企画・構成した映像作品で、1998年から1999年にかけて最初はVHS三部作として制作されました。

その後DVD化もされ、3作プラス未公開映像やインタビューなどが収録されたBOX版の”完成”も発売されました。


これは松本さんがミュージシャンがアルバムを発売するようにコント作品を発表してみたいとの意向から制作されたものです。

そして、テレビなどの一過性のお笑いではなく、後世に残るものを作るというコンセプトの元で制作されました。


BOX版である”完成”は『りんご』『バナナ』『ぶどう』の3作に加え、未公開集などを収録した『メロン』を合わせた4枚組となっています。

出演しているのはダウンタウンの2人、130Rの2人、ココリコの2人に加え、今田耕司さん、東野幸治さん、木村祐一さんとなっています。

20年ほど前のコント作品集

『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM』は今となっては20年ほど前に発売されたコント作品集となっています。

1作目が発売されたのは1998年のことで、それから3作品が発売されました。


僕はこのDVDを5年ほど前に見ました。

『後世にも残るお笑い作品を』というコンセプトだけあって、これはなかなかにすごいものな気がします・・・。


何よりも出演者が豪華すぎます。

20年経った今でも、1人残らず消えることなく今だに第一線で活躍している芸人さんたちばかりです。


芸人の世界は恐ろしいほどの速さで競争と淘汰が繰り返されています。

そんな世界において、生き残ることは本当にすごいことな気がします。

”完成”

僕は”完成”というコンプリート+おまけ付きのBOXを買いました。

これには全部で15作コントとインタビューなどが収録されたおまけデイスクが付いています。


収録されているコントは本当にどれもクオリティの高いものばかりです。

そして、正直その全てを理解できてはいないと思います。


見て素直に笑えるものもあれば、決してそうではないものもあります。

全てを理解するのは結構なお笑い偏差値が必要な気がします。

『古賀』

面白いコントがいくつも収録されているのですが、個人的に好きなコントが『古賀』というコントです。

これは古賀という絶妙な立ち位置にいる友に振り回される人の姿を描いているコントです。


これを思い付くって本当にすごいと思います・・・。


見てみれば『ああ・・こういう人いるいる・・・』とふと笑ってしまうような光景なのですが、細かい台詞回しなんかも絶妙でこれがまた面白い・・・。

スカイダイビングに行くという設定なのですが、地上に降りてからの会話はなんとも言えません。

実験的な

そして、結構実験的なコントをやっているのもこの作品の特徴です。

地上波のテレビでは決してできないようなこともお金をかけてやっているのです。


『マイクロフィルム』というようなコントは絶対に今のテレビではできないようなコントですし、『寿司』というコントなんかも地上波では決してやらないような気がします。


そして『いきなりダイヤモンド』というコント。

これはなかなかに深い本質的なお笑い論のようなことを語っているコントでもあります。


刑務所で出会った2人が意気投合し、お笑いの世界で成功を目指すというような話なのですが、ここで語られていることは結構重要なことのような気もします。


例えば『ツッコミとは説明なんだ』というようなくだりがあります。

ボケたことに対して、ツッコむということはある種の説明であり、ツッコミはボケを増幅させ、効果的に伝えるための手段であるというのです。


若手芸人は全員が見るべきコントのような気がします・・・。

この他にも

この他にもこの作品のたくさんのコントが収録されています。


松本さんのすごいところは、一度見て笑えなかった時にそれがつまらないという感想を抱く人はおそらくほとんどいません。

『分からなかった』という人が多いような気がします。


これが実はなかなかに凄いことです。

無意識的に松本さんのセンスを信頼しているからこそのその感想なのでしょう。


そして『ゲッタマン』なんかは東野さんが本当にいい味を出しています・・・。


これは『後世に残る』というコンセプトの通り、決して色褪せることのないコントがいくつも収録されている作品です。

僕も定期的に見返すような気がしています・・・。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*