感想・解説『背筋をピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜』競技ダンスというスポーツ

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これはいい漫画ですね〜

『背筋をピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜』

横田卓馬さんによる漫画で、2015年から2017年にかけて週刊少年ジャンプで連載されました。

全86話で、全10巻が刊行されています。


2011年に読み切りが掲載されており、その後4年越しの連載開始となりました。

競技ダンスを扱っている作品であり、専門的な用語もたくさん登場しますが、ダンスを始めたばかりの主人公たちと同じように、素人でも分かるようになっています。

あらすじ

春になり、鹿鳴館高校では新入生歓迎の部活動紹介が行われていた。

中でも特に注目を集めたのが競技ダンス部によるダンスのパフォーマンスであった。


新入生の土屋雅春は友人に勧められ、競技ダンス部の体験入部へと向かうこととなる。

3年生の部長である土井垣真澄の圧を前にほとんどの新入生が逃げ出してしまう中、残された土屋は、同じく残った女子生徒である亘理英里とともに競技ダンスの世界に足を踏み入れることとなる。

競技ダンスを描いた漫画

『背筋をピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜』は週刊ジャンプで連載されていた横田卓馬さんによる漫画です。

正直言うと連載中はあまりしっかりと呼んではいなかったのですが、連載終了後に一気にまとめ読みしました。


読んでみて、この漫画はとーーってもいい漫画でした。

なぜ連載中からしっかり読んでいなかったのだろうと後悔するほど・・・・。


この漫画では『競技ダンス』と言うスポーツダンスを扱っています。

高校に入学した2人の男女が部活動紹介で競技ダンス部と出会い、ダンスの世界に足を踏み入れていくのです。


競技ダンスは野球やサッカーなどと比べるとあまり高校生がやるイメージがないかもしれません。

しかし、読んでみるとこれが本当に面白く、熱いスポーツでした。

スポーツに関わるあらゆる段階の人たちを

作中にはたくさんのダンス競技者が登場します。

土屋さんや亘理さんのような初心者もいれば、高校トップクラスの世界で競技と向き合っているようなキャラクターも登場します。


キャラクターたちは本当に魅力的な人ばかりです。

それぞれが悩みや葛藤を抱えながらパートナーと向き合い、ダンスと向き合っています。


この漫画では競技ダンスというスポーツに関わるあらゆる段階の人たちが描かれています。

そしてこの漫画の凄いところは『その全ての段階にいる人たちを肯定的に描いている』ところだと思いました。


スポーツには勝ち負けがつく『勝負』という側面と、スポーツそのものに打ち込むことそのものの『楽しさ』という側面があります。

その両者は決して切り離して考えられることでもないのですが、そのどちらもがスポーツにとっての大きな魅力であることは間違いありません。


この漫画ではその二つが絶妙なバランスで描かれています。

『勝敗』だけが全てでもなければ、ただただ楽しんでいればいいという自己満足的なことにもなってはいません。


スポーツ漫画はたくさんあるかと思うのですが、このバランスで描かれている漫画は初めて読みました。

2人でやるスポーツ

そして、競技ダンスは2人でやるスポーツであり、面白いのがそれぞれのパートナーとの関係性です。

男女のペアでありながらも、恋人ではなくあくまでスポーツのパートナーという関係性でありながら、強いペアは強い信頼関係で結ばれています。


それぞれのペアにはそれぞれの物語があり、この辺りの描き方が本当に絶妙でうまいな・・・と思います。


この作品に限らず、横田卓馬さんという人は『恋愛とは少し異なる男女の絶妙な絆』を描くのが本当に上手いです。

そして、女性キャラはいちいち魅力的だし、男性キャラも共感できる部分があったりなかったりで本当に魅力的です。

最後に

たくさんの人にぜひ読んでほしいとてもいい漫画です。


特に終盤の土井垣ペアの2人がずっと勝てなかったライバルである咲本組を破るシーンは本当に感動的です。

思わず涙してしまいました。


主人公である土屋くんと亘理さんの関係性も本当に微笑ましいです。

少しずつ成長していく姿の描き方もとても上手いです。


この人の漫画は個人的にとても好きです。

他の作品も読んでいきたいです。

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