
漫画家森田まさのりさんが、いろんなことについて『べしゃる』本です。
2019年9月24日に集英社より刊行されました。
『ろくでなしBLUES』、『ROOKIES』、『べしゃり暮らし』などのヒット作で知られる森田まさのりさん。
この本では森田さんの漫画家としての様々な考え方などが書かれています。
大きく3つのパートに分かれていて、最初のパートは森田さんの本業である漫画についての話です。
二つ目のパートでは森田さんが対談をしたり、インタビューが掲載されています。
森田さんの尊敬するお笑い芸人の伊集院光さんや、漫画家である小林まことさん。
そして、芸人の見取り図や、金属バットなどのインタビューが掲載されています。
3つ目のパートは森田さんがコンビを組んで参加した、2018年のM-1グランプリのことが写真とともに書かれています。
売れっ子漫画家として
森田まさのりさんといえば、日本を代表する大ヒット漫画家の一人です。
最初のヒット作となった『ろくでなしBLUES』は累計5000万部以上を売り上げている漫画です。
そして、2作目の連載となった『ROOKIES』も人気漫画となり、実写ドラマ化、映画化もされました。
興行収入80億円以上となる大ヒット映画となっています。
そして、今現在も連載が続いていて、少し前にドラマ化もされた『べしゃり暮らし』。
これは『お笑い芸人』というものを本格的に扱った初めての漫画作品です。
『ろくでなしBLUES』はまだ読むことができていないのですが、森田さんの漫画はとても好きです。
特に『べしゃり暮らし』は自分も芸人を志そうかと思うほど好きな漫画でした。
『べしゃる漫画家』という本では、そんな森田さんがどんな思いでそれぞれの作品に向き合ってきたのか。
どのようなことを考えながら作品を書いているのかということが語られています。
芸人に対するリスペクト
漫画家として出世作となった『ろくでなしBLUES』や『ROOKIES』もそうなのですが、森田さんは『べしゃり暮らし』という作品のことをライフワークと言っています。
この作品には特別な思い入れがあるようです。
僕も大好きな作品なのですが、この作品を読むと森田さんがいかにお笑いというものを愛していて、芸人という人達をリスペクトしているのかが伝わってきます。
そして、その芸人たちの裏側を漫画として描くことがいかに大変なことなのかということも分かります。
その証拠として『べしゃり暮らし』はたくさんの芸人から支持されている漫画でもあります。
森田さんがしっかりと芸人の世界のことをずれていない目線で描いているからだと思います。
M-1準々決勝まで
そして、森田さんは吉本の芸人養成所であるNSCにも実際に入学し、2018年にはM-1グランプリにも参加しています。
同じく漫画家である長田悠幸さんとともに『漫画家』というコンビを結成して舞台に出ているのです。
M-1といえば、芸人を志すほとんどの人が目指すであろう最高峰のお笑いグランプリです。
過去に優勝した芸人さんたちは未だに第一線で活躍している人がほとんどです。
そんな大会にアマチュアとして参加している森田さんなのですが、驚くことに彼らは準々決勝まで進出しています。
漫才師としてはアマチュアでありながらも、準々決勝まで進出し、ルミネの舞台にも立っているのです。
漫画家ということを全面に押し出したネタだったとのことですが、それでも凄いなと思います・・・
そして、この経験はおそらく本業である漫画にもとてもいい影響を与えるはずです。
とても魅力的な人
本の最後の方にはとにかく「おもしろい」と思われたいんです・・・。
ということが書かれています。
凡人である僕からしたら、もう十分におもしろい人なのにと思うのですが、森田さんはそんなことないと言います。
森田さんは本当にサービス精神溢れる漫画家なのだと思いました。
そして、謙遜していますがとてもストイックでとても高い画力を持っている漫画家でもあります。
『べしゃり暮らし』はこれからもプロ編として続編が書かれる予定とのことです。
とても楽しみ・・・。