感想『インビクタス/負けざる者たち』ラグビーとアパルトヘイト

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ラグビーのワールドカップ開催に伴い、テレビで放映されていました。

『インビクタス/負けざる者たち』

2009年のアメリカ映画で、日本では2010年に公開されました。

監督はクリント・イーストウッド。大統領となったネルソン・マンデラをモーガンフリーマンが、ラグビーの代表チームのキャプテンのピナールをマット・デイモンが演じています。


インビクタス(invictus)とはラテン語で「征服されない」「屈服しない」ことを意味する言葉です。

南アフリカにおけアパルトヘイトとラグビーを題材とした実話に基づく話となっています。

あらすじ

1994年の南アフリカ共和国。

30年近い投獄を経たネルソン・マンデラは初の黒人大統領となっていた。


報復されると荷物をまとめていた政府の白人官僚もいたのだが、マンデラは「新しい南アフリカ共和国を作るには協力が必要だ」と告げる。

白人、黒人共にマンデラの元で働くこととなり、大統領のボディーガードも黒人白人混成のものとなった。


一方で、ラグビーの南アフリカ代表チーム『スプリングボクス』はチームとして低迷しており、黒人選手は一人のみとなっていた。

アパルトヘイトの象徴として、多くの黒人はラグビーを嫌っていた。

そんな中キャプテンのフランソワ・ピナールは大統領に招かれ、マンデラと言葉を交わす。


そして、1995年のワールドカップが始まる。

スプリングボクスは快進撃を見せ、決勝で世界最強のオールブラックスと呼ばれるニュージーランド代表と戦うこととなり・・・。

イーストウッド監督の実話を基にした映画

『インビクタス/負けざる者たち』はクリント・イーストウッド監督による映画です。

2009、2010年に公開されていて、映画館では見れなかったのですがDVDで1回と、テレビで1回見ました。

今年、日本でラグビーのワールドカップが開催されていて、それに伴ってテレビでも放送されていました。


この映画はラグビーを扱っているスポーツ映画であると共に、アパルトヘイトや人種差別という、とてもセンシティブなテーマを扱っている作品でもあります。


アパルトヘイトとは1900年代に南アフリカにて行われていた人種隔離政策のことです。

政府の方針として行われいた「公的な」人種差別のことです。


このようなことがあったこと自体が、信じられないのですが、アパルトヘイトは現実に行われていました。

映画で描かれているのは、制度的なアパルトヘイトは撤廃されたけれど、国民の心理として決してすぐには受け入れることができていないという、微妙な時期の話です。

ラグビーといスポーツ

映画ではラグビーの南アフリカ代表のことが描かれています。


ラグビーはシンプルでもあり、複雑でもあるスポーツだと思います。

敵陣へボールへ運ぶという単純なルールでありながらも、ボールは直線的には進んでいきません。


後ろにしかパスすることはできず、たくさんの人の手を渡っていくことで少しずつ、しかし確実に進んでいくというスポーツです。


この映画ではマンデラという人物が新しい国家を目指し、様々な困難に直面しながらも進んでいく様子と重なるようにも思えます。

たくさんの人が、困難に直面しながらも少しずつ進んでいく様子を描いてるのです。

監督の凄さ

クリント・イーストウッド監督の映画は、少し前からよく見るようになりました。

全ては見れていないのですが、少し前に劇場で公開されていた『運び屋』や『15時17分、パリ行き』なんかは劇場で見ました。


もう90歳近くなるイーストウッドですが、いまだに現役で映画を撮り続けているというのだから驚きです。

そして、そのどれもがとても高いクオリティのものばかりです。


この『インビクタス/負けざる者たち』も10年前の映画ですが、とてもよくできている映画です。

そして、見た後は世界の一部を知ると共に、勇気をもらえるような映画でした。


スポーツ映画でのようですが、ラグビーのルールが完全に分かっていなくても問題なく楽しめる映画です。


歴史的な知識は僕はほとんどありませんでしたが、この映画をきっかけにとても興味を持ちました。

ネルソン・マンデラという人物がなぜ30年近くも投獄されていたのか。

そして、その後の南アフリカに何をもたらしたのか。

本当に興味深いです。

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