感想『インサイド・ヘッド』人の頭をエンターテインメントに

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ピクサー凄すぎました・・・。

『インサイド・ヘッド』

アメリカのピクサーアニメーションスタジオ制作による3Dアニメ映画で2015年に公開されました。

原題は『Inside Out』で、日本では2015年7月18日に公開されました。


監督はピート・ドクターとロニー・デル・カルメン。制作総指揮はジョン・ラセターとアンドリュー・スタートンが務めています。

ピクサー映画として1作目となる『トイ・ストーリー』から20周年となる記念作品とされています。

あらすじ

アメリカのミネソタ州に住む夫婦の元にライリーという女の子が生まれる。


生まれると同時にライリーの中にはヨロコビという感情が生まれ、少し遅れてカナシミという感情が生まれる。

ライリーの成長に伴い、ライリーの中にはイカリ、ムカムカ、ビビリという感情も生まれ、5つの感情たちはライリーの頭の中の司令塔でライリーを幸せにするべく奮闘することとなる。


ある日、ライリー家族はライリーの生まれ育ったミネソタを離れ、都会であるサンフランシスコへ移り住むこととなる。


サンフランシスコでは引っ越しからトラブルが続き、ライリーは学校での自己紹介でもみんなの前で泣いてしまう。

司令塔にいる感情たちも混乱してしまい、ヨロコビとカナシミは司令塔から離れ、長期記憶の保管場所へと紛れ込んでしまうこととなり・・・。

ピクサーの長編アニメ

『インサイド・ヘッド』はピクサー制作による長編アニメーション映画です。

アカデミー賞や、ゴールデングローブ賞も受賞しているアニメとなっています。


この映画を見たのは4年ほど前のことだったのですが、この映画は本当にすごい映画でした。

小さい子供でも楽しめる映画となっていながら、しっかりと大人にも響くようにもなっていて、万人が楽しめる映画です。


そうでありながら、扱われていることはとても奥深く、見れば見るほど発見があるような映画です。

脳の構造の可視化

この映画のすごいところは、『人間の脳の構造をアニメーションとして可視化し、エンターテインメントとして成立させている』というところです。


人間の脳の構造は未だに完全には解明されていません。

まだ分からないことが多い人間の脳の構造を、分からないものは分からないままでありながらも、なるほどなと思えるように仕立てているのです。


例えば、なぜだか分からないけれど数年前に聞いた何かの音楽が突然、頭に浮かんできて、一日中頭から離れない。

というようなことや、寝ている間に見る『夢』というものが、なぜあのようなことになるのか。


そんな様子を、アニメーションとして、「なるほどな。こういうことあるある」という風に思えるように作っているのです。


そして、人間が経験することが記憶となって積み重なっていき、少しずつ人格を形成していく過程が、とてもわかりやすく表現されています。

小さい経験でも人の中に記憶は少しずつ積み重なっていて、次第にその人の核となる部分をかたち作るようになっていく。


それは、世界中誰しもが共通して経験してきている成長の過程です。

国や文化なんて関係なく、万人が共通体験していることでもあります。


そこをアニメとし、エンターテインメントとして仕上げるという試みは、極めてデイズニーの本質に即したものであるとも言えます。

5つの感情

この映画ではライリーの頭の中にいる5つの感情が描かれています。

そして、この映画を見ると、そのすべての感情にはしっかりと役割があり、必要なものだという事が分かります。


中でもカナシミという感情は、自分がいることでライリーが不幸になってしまうのではないかと不安になります。

そして、ヨロコビからもあなたは何もしなくていいからと、言われてしまいます。


しかし、カナシミを隠し続けることでライリーは少しずつバランスが崩れていきます。

悲しい事がない状態が続く事が幸福に違いないと、ヨロコビは信じて動くのですが、そのやり方では最終的に行き詰まってしまうのです。


そして、最後に家族の絆をつなぐために必要となるのがカナシミという感情なのです。

ライリーとその両親が泣きながら抱き合うシーンは涙なしに見ることはできませんでした。

細かい部分も

その他にも、本当に細かく作り込まれている映画です。


両親の話の時に、旦那が話を聞いていなかったとことろや、エンドロールで出てくる猫の頭の中の様子など。

5つの感情のベースとなる形が『イカリ』となっているような人とか。
個人的にこのような人を知っています・・・笑


この映画はおそらく世界中の誰しもが楽しめる映画です。


そして、自分自身のことを改めて知る事ができます。

他者に対しても、なぜあの人はあんな人なんだろう。
あんな事を言うのだろう。ということを理解する手助けをしてくれます。

そして、最終的には自分の過去を肯定し『頑張れ自分』と思えるような映画です。

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