感想『(アニメ)ライオン・キング』サークル・オブ・ライフとハクナ・マタタ

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リメイク版の公開に伴い、アニメ版見てみました。
ちゃんと見るのは初めてでした・・・。

『ライオン・キング』

1994年に公開されたアニメ映画。

ディズニーアニメとして32作目となる作品で、世界的に大ヒットし、広く知られている作品。


続編も製作されており、ミュージカルも世界で広く公演されている。

2019年にはフルCGにてリメイク版が製作、公開された。

あらすじ

動物たちの王国であるプライド・ランドの王であるムファサとサラビの間に、時期王となる息子であるシンバが生まれた。

シンバに王となるべく説くムファサであったが、ムファサの弟であるスカーはシンバの誕生をよく思ってはいなかった。


王になれなくなってしまったスカーはシンバに『ゾウの墓場』のことを話す。

あそこへは行ってはいけないと教えられるのだが、シンバはガールフレンドのナラとともに『ゾウの墓場』へと向かってしまう。


そこは国の外であり、ハイエナたちの暮らしている場所だった。

ハイエナに襲われるシンバとナラであったが寸前のところをムファサに助けられる。


ムファサは改めてシンバに王とはどうあるべきかを伝え、歴代の王たちが星となり見守っていることを教える。

一方でスカーは傷ついたハイエナたちと手を組み、自分が王になるべくムファサとシンバを殺害すべく画策するが・・・。

傑作ディズニーアニメとして

『ライオン・キング』という作品。

いろんなところで、何かしらの形で耳にすることはよくあったものの、原作となるアニメ映画版は見たことはありませんでした。


今回、フルCGにてリメイク版が公開されるということで、アニメ版をDVDで見てみました。

調べてみると、世界的に歴史的大ヒットとなっているアニメ作品で、想像以上にすごい作品でした。

話自体はとてもシンプル

『ライオン・キング』は話自体はとてもシンプルです。

そして、動物の本能に根ざしたとても普遍的な話でもあります。


王であるムファサに息子のシンバが誕生します。
シンバは王になることを理解しているものの、そのことをよく思っていない叔父であるスカーがいます。

スカーは自分が王になるべくムファサとシンバを殺すべく画策し、ムファサは命を落とし、シンバは王国から離れることとなります。


シンバは外の世界でプンバァとティモンという仲間と出会い暮らしていくのですが、最終的には王国へ戻り、スカーと戦い王の座につくのです。


シンバが王となった王国は平和を取り戻し、シンバにも次世代の王となる子供が誕生します。

サークルオブライフというように、冒頭のシーンへ戻るような形で映画は終わるのです。

世襲による王位継承

シンバは王になる宿命の元生まれてきた子供です。

それは、生まれつき選ばれたものであるということです。


王になることができないスカーのような『持たざる者』は彼のことを羨ましくも思い、自分の運命を呪っています。

この世襲による王位継承とその周辺というのがこの作品の一つのテーマになっていると思います。


しかし、スカーからしたら妬ましい存在であるシンバなのですが、喜ばしいことばかりかというとそうではありません。

王になるべく生まれたということは、王になる以外の選択をすることができない不自由な人生でもあるとも言えます。


そして、王国の王となることは自分以外の者たちの命にも責任を持つということでもあります。

決して楽なことばかりではないのです。


そして、スカーの画策に会い、ムファサは命を落とし、シンバは王国を追放されてしまいます。

シンバはそこでプンバァとティモンというキャラクターと出会うのです。

ハクナ・マタタ

ティモンとプンバァは、くよくよするなというような意味の『ハクナ・マタタ』という思想のもとに群れから離れ自由に暮らしている二人です。

シンバは王国から追放されたところを二人に見つけられ、しばらく二人とともに暮らしていきます。


シンバはそこで群れから離れた生き方というものを知ります。

彼らは、世襲や王位などとは無縁のところにいながら、今という日常を幸福に生きようとしている者たちです。


宮台真司さん的な言い方をすれば『終わりなき日常』をいかに幸福に生きるかという者たちなのです。


シンバは彼らに救われます。
こういう生き方もあるのだということを知るのです。

最終的にシンバは王国に戻り、王となるのですが彼は王国にいた時とは少し違っているのだと思います。

外の世界を彼は知っているのです。

ズートピアという映画

同じく動物を扱っているディズニー映画として2016年に公開されたズートピアという作品があります。

この作品はライオン・キングとある意味で似ている作品だと思います。


しかし、この二つの作品は本質的に異なっている部分もあります。

ライオン・キングは擬人化された動物の世界を描いているのに対し、
ズートピアは擬獣化された人間の世界を描いています。

ベースとなっている世界観が二つの作品では違っているのです。


そして、達成すべき目標のようなものも違っていて、

ライオン・キングは生命の安全と維持を目指す段階であるのに対し、ズートピアでは、生命の安全は確保されている上で、自分はどのように生きたいかとう自己実現の話となっています。

達成すべき欲求の段階が違っていると言えるかもしれません。


これは社会の変化のようなものが反映されているのかもしれません。

昔は、家族を持ち、群れが平和であることを希求していたのかもしれませんが、今はそれに加えて、自己実現を求めることが重要視されているような気がします。

これはライオン・キングの時にはなかったテーマのようにも思えました。

サークル・オブ・ライフ

この作品はとても綺麗な終わり方をしているとも思いました。

生命の循環ということを表している『サークル・オブ・ライフ』という言葉があります。

まさに円環構造をなすように映画は最後、始まりのシーンへと戻るような形で終わります。


それは、それ以前も幾度となく繰り返されてきたことであり、今後も繰り返されていくことでもあります。

とても美しい終わり方となっていました・・・。

ミュージカルも見てみたい

改めて『ライオン・キング』を見てみて、確かに世界的にたくさんの人に響く作品だなと思いました。

いろんな形で展開されているのにも納得できたような気がします。

CGでのリメイク版も見に行こうかと思います。
そして、ミュージカル版も機会があれば見てみたいです・・・。

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