感想『ドランゴクエスト ユア・ストーリー』賛否はあるけれど・・・

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ネット上でも賛否が分かれていたので、気になって映画館で見てみました。
確かにこのラストは、想像していなかったです・・・。

『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』

2019年8月2日に公開された日本映画で、ドラゴンクエストを元とした3DCGアニメーション映画。

ドラゴンクエストシリーズの映画化は初の試みで、『ドラゴンクエスト5 天空の花嫁』をベースにした話となっています。


総監督として山崎貴、監督は八木竜一と花房真、原作・監修は堀井雄二、音楽はすぎやまこういちとなっています。

声の出演として、佐藤健や有村架純、波瑠、山田孝之、ケンドーコバヤシなどが参加しています。

ストーリー

リュカは父親のパパスとともに魔物にさらわれた母親であるマーサを助けるために旅をしていた。

しかし、パパスは旅の途中でゲマという魔物に敗れ、命を落とす。


リュカは王子であったヘンリーとともにゲマの元で奴隷として働くこととなる。

数年が経過し、奴隷の生活から抜け出したリュカは、昔父親と暮らしていた小屋でパパスの記していた日記を発見する。


そこには天空のつるぎと勇者を探し出せば母親を救えるのだということが書かれており、リュカは冒険の旅に出ることとなる。

映画版ドラゴンクエスト

『ドラゴンクエストシリーズ』といえば、世界的に広くヒットしているゲームシリーズの一つです。

ナンバリングされているタイトルだけでなく、スピンオフ作品なども多数発売されています。


僕も小さい頃から結構な時間を費やして楽しんできたゲームシリーズです。

今回の映画版で扱われている『ドラゴンクエスト5 天空の花嫁』もやったことがあり、何度か通しでやっている作品です。


それが映画になると聞いて、一体どんな映画になるのだろうか・・・と期待半分と不安半分で劇場へと足を運びました。


実を言うと、公開されてからすでにネット上では賛否の声が上がっていて、最後の『ある結末』についても知ってしまった状態での鑑賞でした。


全体を通して、個人的にはそこまで悪くはないと思いました。
確かに最後の『ある結末』はかなり衝撃的で、賛否が分かれる気持ちもとてもよく分かります。


でも、昔プレイしていたゲームの懐かしさ、戦闘シーンや、定番の音楽はとても良くて、話の流れも原作通り(途中までは)で楽しみながら見てました。

『ある結末』(ネタバレ)

ネタバレしてしまいますが、最終的にはこれはドラゴンクエスト5の映画ではありません。

ドラゴンクエスト5をVRとしてプレイしている青年の話です。

小さい頃にプレイしていたゲームがVRとしてリメイクされ、そのVR作品をプレイしている青年の話なのです。

ゲマを倒し、最後のボスであるミルドラースが現れるところで、ゲーム内に送り込まれたウイルスが現れ、主人公はそのウイルスを倒します。

そして、ゲームの世界を取り戻すのです。


確かにこれは賛否が分かれる展開だなと思いました。

純粋にドラゴンクエストの世界観を楽しんでいた観客は裏切られた気持ちになることでしょう。

そして『大人になれ』と言うような説教じみた言葉で、ゲーム自体を否定するよなセリフもあったりするのです。

おそらく『ドラゴンクエスト』が好きで、『ドラゴンクエスト5』が好きでその世界観を楽しんでいた人ほど、裏切られ、がっかりさせられてしまうに違いありません・・・。

なぜこんな展開に?

なぜ、この映画の作り手たちはこのような展開にしたのでしょうか。

普通にドラゴンクエスト5の話のままで最後のボスを倒し、ハッピーエンドで終わらせることもできたに違いありません。

そうすれば、原作ファンにも示しのつく作品となっていたのではないでしょうか。


ここからは僕の想像に過ぎませんが、作り手は『今、映画として『ドラゴンクエスト』を描く意味』を考えたのではないでしょうか。

大傑作である『ドラゴンクエスト5』というゲームソフト。
話としての『ドラゴンクエスト5』を楽しみたいのであれば、ゲームをプレイすれば十分で、映画でそれを超えることは難しい。

全てを描き切ることもできないし、それこそただのゲーム版のダイジェストになってしまうのではないかと。


そこで、『ドラゴンクエスト5』の話を描くのではなく、『『ドラゴンクエスト5』をプレイしている人』の話を描くことにしたのではないでしょうか。

賛否が伴うとしても、映画として作る以上は何かしらのメッセージを付与したかった。


そう考えた結果としてのあの展開だと考えると、辻褄は合うようには思えます。

言ってしまえば、原作をプレイしたことのある人であれば、ドラゴンクエスト5の世界で完結する話の結末は想像することができます。

しかし、『ドラゴンクエスト5をプレイした人の話』は見ることはできないでしょう。


僕は、その展開を知った上で見ました。
だからかもしれませんが、裏切られたというような感情にはなりませんでした。


ドラゴンクエスト5の世界を楽しむとともに、ドラゴンクエスト5をプレイしていた自分を懐かしみながら見ることもできました。

まさにこれは、『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』でした・・・。

勇気のいる決断

たくさんのファンがいるドラゴンクエストの映画版として、この結末の作品を作り、世に出すことはとても勇気のいることだろうなと思いました・・・

無難に原作をなぞるだけの作品だけにせずに、批判されることも覚悟の上で映画としてのメッセージを一つ付与しているのです。


この作品を見て、いろんなことを感じ、いろんなことを言う人がいると思います。

しかし、僕はトータルとして決して嫌いな作品ではありません。
そして、ドラゴンクエストというシリーズも変わらず好きで応援していきたいと思っています。

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