
『君の名は。』に続く新海誠監督の最新作です。
『天気の子』
新海誠監督による日本のアニメーション映画です。
2019年7月19日に公開されました。
全監督作『君の名は。』から約3年ぶりの新作映画公開となりました。
英題は『Weathering With You』。
音楽は前作と同じくRADWIMPSが担当しています。
主人公の帆高の声を醍醐虎汰朗、ヒロインの陽菜の声を森七菜がそれぞれ担当しています。
その他声の出演として、小栗旬、本田翼、倍賞千恵子などが参加しています。
また、海外での公開も予定されていて全部で140の国と地域で公開される予定です。
あらすじ
高校1年生の帆高は、島での生活に息苦しさを感じて家出して上京する。
たどり着いた東京では、記録的な雨の日が続いていた。
アルバイトを探そうとするものの、身元のはっきりしない高校生が就けるような仕事はなかなか見つからず、船で出会った須賀さんの元を訪ねる。
須賀さんはオカルト雑誌の記事を書くライターの事務所を運営していた。
事務所で働く大学生の夏美とも出会い、帆高はその事務所で働くこととなる。
仕事をしていく中で帆高はある噂を耳にする。
それは「100%の晴れ女」についての噂だった。
そして、雨の降り止まぬ東京で帆高は一人の少女と出会う。
陽菜というその少女は、祈ることで晴れを呼ぶ不思議な能力を持っていた。
新海誠監督最新作
先日公開された『天気の子』早速見てきました。
劇場での別の映画を見たときにも予告として流れていたり、テレビでもCMがよく流れていて、今回も良さそうだな・・・と思いながらの鑑賞。
監督は新海誠さんで、音楽は今回もRADWIMPSが担当しているということで、予告やCMからも既に幸福感が溢れていました・・・
見終えてみて、少し気になるところもなくはないものの、最終的に僕はこの映画がとても好きになりました。
家に帰ってしばらく余韻に浸っていると、何故か分かりませんがもう一度見たくなっています。
ストーリーは、前作の『君の名は。』や過去の新海誠さんの作品にも通ずるところのあるものとなっています。
とある未熟さを抱えている男女が宿命的に出会い、ある種の完全生を獲得したかのように思えたが、二人の前に『不思議な力による運命』と、いわゆる『普通の世界』が立ちはだかり、二人は引き裂かれてしまう。
引き裂かれ、2度と会えないかと思えた二人だったが、最終的には困難を乗り越え再開を果たす。
ものすごくシンプルに言うとそんな話です。
音楽と映像美
今回も、その映像の美しさと映画のために作られた音楽は本当に良かったです・・・。
そこは間違い無いと思います。
新宿や池袋などの東京の街や、『普通の生活者』の描写の細かさに驚きました。
新宿の街なんかは、僕も行ったことのある風景が出てきましたが現実の世界かと思うほどでした。
そして、料理を作っているシーンや、漫画喫茶でのシーンなんかも本当に細かい描写です。
そして、今作の肝とも言える『天気』に関するシーン。
晴れ、雨、曇り、雪、雷、この映画にはあらゆる天気が登場します。
アニメの技術的なことは詳しく分かりませんが、水とか雲の描写はなかなか難しいのではないでしょうか。そんな部分も本当に綺麗な映像に仕上がっています。
そして、劇中の全ての音楽を担当しているのがロックバンドであるRADWIMPSです。
公開日に発売されたサウンドトラックには主題歌である『愛のできることはまだあるかい』や『グランドエスケープ』などを含む全31曲が収録されています。
曲の一部は女性歌手である三浦透子さんが歌っているものもあります。
前作の『君の名は。』に続き、この映画も音楽が大きな力を持っています。
RADWIMPSの野田さんは、今回は話作りの段階から参加しているとの事です。
音楽の力は映画の魅力とは異なると思う人もいるかもしれませんが、僕はそんなことはないと思います。
音楽は映画が使うことのできる武器の一つです。
それは小説や、漫画では決して使うことのできないものです。
音楽を有効に使うことで、映画は良くもなれば悪くもなるのです。
今回も、音楽はいいですな・・・
特に終盤に流れる『グランドエスケープ』という曲。
この場面は本当にカタルシスのある幸福感溢れるシーンとなっています。
この場面のために映画の全てがあるのではないかと思えるほどです。
ストーリーとテーマ
この作品は、いわゆる典型的な『セカイ系』という作品に類するものだと思います。
『セカイ系』とは、僕と彼女との小さな関係性が、世界の仕組みや世界の危機などといった大きな問題と直結してるような話のことを言います。
『天気の子』では、天気と人間の感情はリンクしていて、特に晴れていることは良いことだということが序盤に語られます。
しかし、雨が降り続く東京で、晴れを手に入れるためには陽菜を失わなければならないことを帆高は知ります。
つまり、世界の危機とは言わないまでもこの作品の主人公は「雨を止ませること」と、「陽菜という少女」とを天秤にかける事となるのです。
そして帆高は最終的にある未来を自分の手で選び取ります。(見なくともなんとなく想像はつくかもしれませんが・・・)
この作品では、おそらく意図的にリアルな部分は異常なまでなリアリティを持って描かれています。
新宿や池袋の街並みなんかは本当に現実の世界そのままです。
だからこそ、主人公の帆高と陽菜との非現実的な関係性の儚さや、アニメならではのシーンが美しく、力のあるものとなっているだと思います。
結局、良かったですね・・・
結構な期待を持って映画館で見てみて、途中少し気になるところもありながらも最終的には、やっぱりとても良かったです。
特に、やっぱり『グランドエスケープ』の流れるシーンは本当に良かったです。
このシーンを見るためだけにもう何回か見るかもしれません。
そして、この映画が公開された時、関東地方はまだ梅雨明けしておらず、日照時間不足がニュースとなっていました。
まるで映画の内容とリンクするかのような現実の世界。
新海誠監督の運命力恐るべし・・・です。