感想『ミュウツーの逆襲EVOLUTION』初代劇場版のリメイク作品

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初代ポケモン映画のリメイクということで、早速劇場にて観賞。

『ミュウツーの逆襲EVOLUTION』

2019年7月12日に公開された劇場版ポケットモンスターの22作目となる映画。

第1作である『ミュウツーの逆襲』をフル3DCGアニメーションでリメイクしたもの。

監督は湯山邦彦、榊原幹典の2名で担当。

声の出演として市村正規がミュウツーを演じている。

あらすじ

幻のポケモン、ミュウを探し求めていたポケモン研究者たち一行は、ミュウの体の一部と思われる繊維を見つける。

研究所に戻った一行は、持ち帰ったミュウの一部から『ミュウツー』を作り出すことに成功する。

強大な力を持って生まれたミュウツーは研究所を破壊し外の世界へと逃げ出してしまう。

ミュウツーは自分が何者であるのか。何のために生み出されたかということに苦悩していた。

ポケモンマスターを目指し旅を続けていたサトシとタケシ、カスミはとある海沿いの草原で昼食を食べようかとしていた。

そこへ一匹のカイリューがやってきてサトシへ招待状を手渡す。

招待状を掲げると、一人の女性が映し出され、前途有望なトレーナーを集めているという話を聞く。

招待を受け、嵐の中、城へと向かうサトシたち一行。城に到着すると、そこには3人のトレーナーが同じように招かれていた。

そして、集まったトレーナーたちを待ち受けていたのは、最強のポケモンミュウツーと、コピーによって生み出されたポケモンたちだった。

劇場版ポケットモンスター最新作

ミュウツーの逆襲EVOLUTIONは、22作目となる最新版の劇場版となります。

これは、1998年に公開された1作目の劇場版『ミュウツーの逆襲』のリメイク作となっています。

1作目の方も確か劇場で見ました。

今から20年以上前の話で、僕がまだ10歳くらいの頃・・・。

話は不思議と結構はっきりと覚えていました。

ミュウツーは人間によって生み出された最強のポケモンです。

高い知能と、強大な力を最初から持って生み出されたのです。

ゆえに、彼は自分自身の存在意義について苦悩します。

普通のポケモンであれば決して持たないようなことに疑問を持ち、行動し始めるのです。

初代のアニメ版を見たときは僕はまだ小学生でした。

だから、なぜミュウツーが怒りを持ち、逆襲するのかがいまいちわかっていなかったような気がします。

最強として生まれ

今回見てみると、小学生の時とはまた違う印象を受けました。

話は、ほぼ完璧に初代の『ミュウツーの逆襲』と同じとなっています。

3DCGアニメとして再現されていますが、話の流れはほぼ同じです。

僕が、今回この映画を見てまず思ったのは、ミュウツーの思想や、苦悩がある漫画のキャラクターに似ているな・・・ということ。

それは、漫画のHUNTER×HUNTERのキメラアント編で登場する王『メルエム』です。

彼はキメラアントという特殊な生態系を持った蟻の王様として産み落とされます。

生まれた瞬間から強大な力を持ち、世界を支配するために生まれたと言われるのですが、彼自身は自分の存在意義をいまいちしっかりと見出せずにいます。

そして、人間という生き物の存在や行いに疑問を持ち始めるのです。

彼は主人公たちとの戦いの末に死期を悟り、最期の時をある人間とともに過ごすこととします。(ここは本当に感動的・・・)

ミュウツーの逆襲のミュウツーと同じようなことに苦悩しているキャタクターです。

そして見た目も少し似ているような気もします。

(作品が作られたのは『ミュウツーの逆襲』の方が全然先です)

きっと彼らは生まれた時から力を与えられているものの、精神がそこに追いついていません。

そのために外の世界と接することで少しずつ成長していきます。

ミュウツーは、最後に死ぬことはありません。

最終的には、オリジナルであるミュウから生み出された自分自身のアイデンティティを確立し、コピーポケモンたちとともに何処かへ向かいます。

同じ世界のどこかで生きていくことを決めるのです。

子供向け映画ではあるのですが

この映画は子供向け映画であることは間違いありません。

実際に、劇場は子供たちでいっぱいでした。

しかし、扱われているテーマは実はとても深いものだと思います。

物語の終盤、ポケモンたちはコピーされて生み出された同じ姿のポケモンたちと戦うこととなります。

しかし、姿も力も同じように作られているポケモン同士、決着はなかなかつきません。

最終的には主人公のサトシのある行いによって、ポケモンたちは戦いをやめることとなります。

そして、一個の生命体としてポケモンたちは生きていくことを決めるのです。(ミュウツーとともに)

人間の手によって生み出されたコピー生物。

オリジナルと一体何が違うのでしょうか。

現実の世界において、コピー生物を生み出すような技術はおそらくまだ確立されてはいません。

しかし、いつの日か人間のコピーを作り出すことができるようになる日も来るかもしれません。

そうなった時、生み出されたコピー人間には人権はあるのでしょうか。

コピーが罪を犯したとして、それはオリジナルの責任になるのでしょうか。

決して簡単ではない問いではないでしょうか・・・。

そんなテーマを子供向け作品の折り込み、20年近く前に作られていたなんて、今思うとすごいな・・・と思います。

そして、シンプルに子供向け作品としても、しっかりと楽しめるようにもなっています。

親子で見るにもオススメの作品です。

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