感想『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』職業としてのアイドルとは

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乃木坂46の最新ドキュメンタリー映画見てきました。

『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』

2019年7月5日に公開された日本のドキュメンタリー映画。
『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』に続く4年ぶりの映画。

日本のアイドルグループ乃木坂46を約1年に渡って追いかけたドキュメンタリー作品となっている。

結成7年目の2018年9月頃から密着が始まり、約1年後の2019年7月に劇場公開された。


2年連続のレコード大賞受賞。4期生の加入。西野七瀬や若月佑美など、1期生たちの卒業などを経て、23枚目シングルの『Sing Out!』の発売までが描かれている。

監督は36歳の岩下力が務めている。

アイドルドキュメンタリーとして

『いつのまにか、ここにいる』は乃木坂46に密着したドキュメンタリーの2作目となります。

前作からは4年ほどの時間が流れています。
前作も少し前に見ました。

これは、アイドルとしてデビューすることとなった少女たちの苦悩と喜びを描いたものとなっています。


その時からは、4年の時が流れ、メンバーも変わり、乃木坂のことを知る人も増え、彼女たちを取り巻く環境も大きく変わっています。

最初に、監督がこう言っています。

少女の成長譚としてのアイドルドキュメンタリーならまだしも、僕が目にしたのはすでに成功しているプロフェショナル集団だった。


そんな彼女たちの何を映画にすれば良いのだろうか。と。

言われてみて、確かにな・・・と妙に納得してしまいました。

1作目は、確かにある意味では作りやすいものだったのかもしれません。

今までごく普通の生活をしていた少女たちが、アイドルとなり、そこで悩みを抱えながらも少しずつ成長していく。

話としては、わかりやすいものです。


しかし、今回の2作目はそうではありません。

アイドルとして十分に成長し、成功しているグループのことを追いかけているのです。

監督は大変だったのだろうな・・・。

職業としてのアイドルとは

この映画を見て僕は大きく二つのことを思いました。


一つは、アイドルという仕事がいかに特殊な仕事であるのかということ。

そして、もう一つは全身全霊で何かに打ち込んでいる彼女らに対する『嫉妬』のようなものです。


アイドルは、一見華やかな仕事であるように思われがちです。

しかし、1作目やこの映画を見ると決してそんなことはないのだということがよく分かります。

アイドルは「偶像」という意味で、普通だった少女たちは大衆の求める『理想』の姿を探していくこととなります。


途中、大園桃子というメンバーのインタビューがとても印象的で、自分をさらけ出して、それを否定されてしまうと本当に辛いということを言っています。

彼女は、素の自分を出す以外の方法を知らないから、それが否定されてしまうと、アイドルに向いていないと思ってしまう。と言うのです。


その後、新しく加入した4期生たちの姿も映されます。

まさに、ごく普通の少女だった彼女たちがアイドルとして人前に立つのです。

そこで、自分の全てでぶつかるから、深く傷つくこともある。

だけど、だからこそ得られる大きな喜びもある。

一人のメンバーの涙と、そのあとの笑顔が映されていました。

全身全霊で打ち込めること

そして、僕が強く思ったのは、自分は彼女たちのように全力で何かに打ち込むことができているのだろうか。と言うことです。

大変な思いをし、涙しながらも舞台に立ち続ける彼女たちの姿を見て、自分大丈夫か?と思ってしまいました。


何かに真剣に打ち込めば傷つくこともあります。
自分の無力さに打ちのめされることもあります。

しかし、そうすることでしか辿り着くことのできない場所が確実に存在しています。

そこに辿り着くためには、傷や涙は避けられないのかもしれません。

乃木坂46という場所があるという彼女たちに僕は、ある種の『嫉妬』を抱いてしまいました。

苦悩しながらも、そこにはメンバーたちがいて、人前に立ち、前へと進んでいる。

そんな彼女たちを羨ましく思ってしまったのです。

卒業していくメンバーと

そして、この映画の大きなテーマの一つとなっているのがアイドルにとっての卒業とは?というものです。

乃木坂46はこの1年でたくさんのメンバーが卒業しています。
多くは1期生として活動してきたメンバーたちです。


それぞれ、理由はきっと違っているはずで、それぞれの未来を見据えての卒業しています。

残されたメンバーは本当に辛いことだと思います・・・。
途中、残されているメンバーたちの気持ちが語られる場面もたくさんありました。

キャプテンの桜井玲香さんが収録の途中で大号泣してしまう様子や、秋元真夏さんが卒業について語る場面があります。


「卒業なんてなければいいのになって思うことはあります。乃木坂を実家のような場所として、そこに属したまま個人の仕事もできるような形だったらいいのに。」


と真夏さんは言っていました。確かにそうかもしれません・・・。

中でもグループとして大きかったのは中心メンバーとして活躍していた西野七瀬さんの卒業なのでしょう。

彼女は2018年いっぱいで乃木坂としての活動を終えています。
そして、最後に行われた卒業コンサートの様子も映されています。

偶然と必然

西野さんのインタビューも何度かあります。
その中でも、最後の紅白の後に行われたインタビューはとても印象的でした。


全ては偶然でありながらも必然で、乃木坂というグループは努力ではどうすることもできない不思議な力を持っている。

というようなことを言っています。


そして、卒業のタイミングもこのタイミング以外はあり得なかったとも言っています。

乃木坂のメンバーとして、走り続けてきたからこそ、宿命的な運命的な引き際を分かっていたのかもしれません。

きっと、他のメンバーたちもそうなのかもしれません。

オーディションに合格し、一生懸命走ってきて、いつのまにかここにいる彼女たち。それは全てが偶然であり、必然であったのかもしれません。

映画の最後には

映画の最後は20歳を迎え、最新シングルではセンターを務めた齋藤飛鳥さんが映されています。

彼女はどこかとっつき難いようなイメージを持っていたのですが、実はとても人間らしい女の子なのだということを改めて知りました。

メンバーと離れ、一人でいることも多いといいますが、本質的にはメンバーのことが大好きで、とても信頼しているのだと思います。

しばらくは、彼女がグループの中心となっていくのかもしれません。
そして、他にも魅力的なメンバーがたくさんいます。

この映画を見て、乃木坂46は本当にいいグループなんだなと改めて思いました。これからも、応援していきたいなと思いました・・・。

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