感想『デトロイト』実際に起きたアルジェ・モーテル事件

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気になって2回もみ見てしまった映画です。

『デトロイト』

2017年にアメリカで製作・公開されたドラマ映画。

監督は女性初のアカデミー監督賞を受賞しているキャスリン・ビグロー。

主演はジョン・ボイエガと、ウィル・ポールターが務めた。

1967年のデトロイト暴動の最中に起きたアルジェ・モーテル事件を元とした作品。

公開された2017年はデトロイト暴動からちょうど50年目の節目の年でもあった。

日本では2018年の1月26日に公開された。

あらすじ

1967年、アメリカのデトロイトでアフリカ系の退役軍人を讃える式典が催されていた。

市民の注目がその式典に集まっている間にデトロイト市の警察は、違法酒場の摘発を行なった。

その摘発を受けて、現場にいた人たちが警察に向けて石を投げつけるという事態になった。

そうやって始まった暴動は次第に規模を拡大していき、食料品店の略奪や銃撃戦にまで発展することとなった。

暴動の最中、警備に当たっていた白人警官フィリップ・クラウスは規則に反し、逃げる黒人を銃で射殺してしまう。

一方で、デトロイト出身の黒人によって結成されたバンド、ザ・ドラマティックスはデトロイトでのライブパフォーマンスの直前に会場の前の通りを警察に封鎖されてしまう。

そして、メンバーはデトロイトから去ることを命じられ、不本意ながら応じることとなる。

メンバーが離れ離れになってしまう中、メンバーのラリー・リードとフレッド・テンプルはデトロイトにあるアルジェ・モーテルに滞在ししばらく様子を見ることとなる。

モーテルにて二人の白人女性に声をかけた二人が部屋を訪れると、そこには数人の黒人の男たちがいた。

男の中の一人がおもちゃの拳銃をふざけて窓から見えていた白人警官の発砲したことで、狙撃手がいると思われてしまったモーテルは白人警官に包囲されてしまうこととなり・・・。

実話を元にした

『デトロイト』は実際に起きたアルジェ・モーテル事件を題材としている映画です。

監督は『ハート・ロッカー』でアカデミー監督賞を受賞している女性監督のキャスリン・ビグローとなります。

主演の黒人役はスター・ウォーズにも出ている俳優のジョン・ボイエガ。

白人警官をウィル・ポールターが演じています。

予備知識なく最初は見ましたが、何が起こっているのかわからないというようなことはなく見れる映画です。

しかし、実際に起きたアルジェ・モーテル事件のことや、当時のアメリカのことを少しでも知っていた方がより楽しめるかと思います。(とは言っても笑えるような映画では決してありませんが・・・)

この映画を見ると、いかに黒人が当時のアメリカにおいて迫害されていた存在だったのかが分かります。

そして、強く振舞っている白人達も実は弱さを抱えているのだということも。

白人達は、自分たちの弱さを隠すかのように強者のように振る舞うのです。

ザ・ドラマティックス

事件に偶然巻き込まれてしまうのが黒人バンドのザ・ドラマティックスのメンバー達です。

デトロイト出身の黒人である彼らは、バンドとして成功することを夢見ながらも、暴動のせいでライブが中止になり、メンバーの二人はアルジェ・モーテル事件の現場に居合わせることとなります。

そして、受けるいわれのない拷問を受けることとなるのです・・・。

劇中での40分にも及ぶ拷問シーンは、なかなか凄まじいものがあります・・・。

こんなに時間を割いて拷問シーンを描いている映画を初めて見ました。

そしてこれが実際に起きたことなのだというのだから驚きです・・・。

決して笑えるような娯楽映画ではありませんが、こういう映画を見ると世界の広さのようなものを感じます。

自分の知らないことがいかにたくさんあるのかを痛感させられます。

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