感想『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』カンニングというサスペンス

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面白そうだったのでツタヤでレンタルし、鑑賞。

よくできた映画でした・・・

映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』

2017年のタイ映画

監督はタイ人のナタウット・プーンピリヤ

日本での公開は2018年9月22日

当初は少ない上映館であったが、SNSでの賞賛や、テレビでも紹介され上映が拡大。

11月には主演のリンを演じた女優チュティモン・ジョンジャルーンスックジンと、監督のナタウット・プーンピリヤが来日することになり、舞台挨拶を行った。

メインの4人を演じた俳優は、ほぼ演技経験のない状態での撮影だった。

あらすじ

小・中学生の頃からずっと優秀な成績だった女子高生のリンは、特待奨学金を受けて進学校へと編入する。

リンは新しい学校で最初に知り合ったグレースのことをテスト中に手助けすることとなる。

それを知ったグレースのボーイフレンドのパットはリンに対し、あるビジネスを持ちかける。

それは、テストのカンニングを行い、その対価として報酬を払うというものだった。

迷いながらも、裕福でない家庭の育ったリンは彼らに力を貸すこととなり、報酬を受け取っていくことに。

しかし、リンと似た境遇の男子学生のバンクは彼女の『ビジネス』のことをあまり良く思ってはいない様子だった・・・。

上手くいっていたように思えた彼女たちの『ビジネス』だったが、バンクによって学校にも父親にもバレてしまう。

父親からは叱責され、奨学金も剥奪されてしまったリンだったが、グレースとパットから再びある話を持ちかけられる。

それは世界各地で行われている統一入試『STIC』でのカンニングをするというものだった・・・

タイという国において

この映画はタイ人監督によって制作されたタイ映画だ。

タイ映画を今まで見たことがあっただろうか・・・。

少なくとも思い出す限りはないような気がする。

この『バッド・ジーニアス』という映画はとても分かりやすく、国の違う人でもシンプルに楽しむことのできる映画となっている。

主人公の女子高生リンは、家庭的には恵まれていないながらも高い頭脳を持っている。

そして、その友人グレースとボーイフレンドのパットは裕福な家庭で育ってきた二人であり、バンクという男子学生はリンと同じような境遇にいる学生だ。

この男二人女二人の4人組はそれぞれ持っていないものを補い合うという形で協力することとなる。

しかし、そこには根深い力関係が内包されている。

リンとバンクは奨学金を得るために、勉強し優秀な成績を「収めなければならない」二人だ。

対して、グレースとパットは決してそうではない。

彼女らは余裕があり、アメリカの大学への入学も試験さえ突破すれば問題なく叶えることができる。

タイという国には深刻な格差があり、社会問題にもなっている。

それは所得という形で現れるだけでなく、教育や生活レベル、人格形成に至るまで様々な形で現れる。

この映画にもその様子は描かれている。

言うなれば、この映画は金持ちの二人が貧乏だけど頭の良い二人を利用しようとする話なのだ。

サスペンス映画として

タイという国の社会問題を扱っていながらも、この映画はとても面白く仕上がっている。

そして、国内外においてたくさんの人に見られ評価されてもいる。

テストにおけるカンニングは決して許される行為ではない。

だからこそ、どうするのかを考え、実行していく姿には緊張感が生まれる。

最後の国際統一テスト「STIC」のシーンはなかなかの緊張感だ。(このテストは架空のものだそう)

最終的に彼らの作戦はある結末を迎え、リンとバンクは元の生活に戻っていく。

そして、最後にリンとバンクが会話をする。

このシーンにはちょっとした感動がある。

終わりに

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』、劇場での公開中は話題になっていることも知りませんでした・・・。

世の中には面白い映画がたくさんあるもんだと改めて実感しました。

タイの映画は他にどんなものがあるのか全く知らないけど、機会があれば他にも何か見てみたいです。

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