感想『BOOTLEG:米津玄師』現代に生きる僕らのオリジナリティとは

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今、最注目のアーティスト米津玄師のアルバム『BOOTLEG』

オリジナリティって難しい・・・

『BOOTLEG』

米津玄師の通算4枚目となるアルバム

発売は2017年11月1日

アルバムタイトルの『BOOTLEG』は海賊版を意味している

前作から約2年1ヶ月ぶりのアルバムとなる

『LOSER』『ピースサイン』『orion』『灰色と青』『打上花火』など全14曲を収録

たくさんの才能が集まったアルバム

米津玄師は今の音楽シーンにおいて最も勢いのあるアーティストだ。

そう言っても全く大げさではないだろう。

昨年末には紅白歌合戦にも出場し、日本中に衝撃を与えた。

本作『BOOTLEG』は紅白で歌われた『Lemon』の前に発売されたアルバムだ。

このアルバムにはたくさんの人が参加している。

『灰色と青』という曲には俳優の菅田将暉が参加している。

『砂の惑星』という曲は初音ミクと、『打上花火』はDAOKOとともに発売され、映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の主題歌となった曲だ。

才能は集まるとはよく聞く言葉だ。

才能ある人は、才能があるがゆえにある種の孤独感を抱えている。

その孤独感は決して凡人には理解することのできないものだ。

しかし、同じ程度の才能を持っている人同士であれば分かり合うことができるのかもしれない。

米津玄師は類まれな才能の持ち主だ。

そして、世間もそれに気付き、たくさんのファンを増やしている。

同世代として

米津玄師は僕と同世代だ。

平成に生まれ、平成を生きてきた人だ。

そして、同じようなサブカルチャーを目にし、同じように影響を受けているとも言える。

米津玄師は影響を受けたアーティストとして、BUMP OF CHIKEN、RADWIMPS、ASIAN KANG-FU GENERATION、椎名林檎、などを挙げている。

まさに僕たちが中高生時代に聞いていたアーティストばかりではないか・・・

そんな人が今日本の音楽シーンを席巻している。

そのことは単純に嬉しい。

オリジナリティとは

オリジナリティとはなんだろうか。

独自のものを持っている創作物をそう呼ぶが、その定義は明確ではない。

創作物は、例外なく過去の誰かの創ったものの影響を受けている。

そうではないといくら否定しようが、それは避けようのない事実だ。

現代においてオリジナリティを主張することは本当に難しい。

そんな現代においてどのようにしてオリジナリティを示すことができるのだろうか。

その鍵はオリジナリティを『諦める』ことにあるのではないかと僕は思う。

完全に無の状態から生み出せるものなどもはや存在しない。

そういう前提に立って物作りをしていくことこそが重要なのではないかと思う。

過去の創作物からの影響から逃れることはできない。

しかし、過去の創作物からの影響を『いかに組み合わせるか』によってオリジナリティを生み出すことがでできるのではないだろうか。

過去の先人たちの創ってきたもののはリスペクトを払いながら、独自の組み合わせによってオリジナリティを示す。

現代の僕らはもはやそうすることでしかオリジナリティを示すことができないのかもしれない。

米津玄師のオリジナリティ

米津玄師はオリジナリティを持っているアーティストだと思う。

彼が影響を受けてきたアーティストたち。

その影響を受けているのだということは凄く分かる。

しかし、彼はその影響を自分というフィルターを通すことによって独自に組み合わせ、アウトプットする才能を持っている。

それは、現代を生きる僕らにとって希望とも言えるような可能性だ。

オリジナリティを主張することの難しい現代において、その可能性を示しているからだ。

米津玄師はこれからも良質な音楽を提供してくれるに違いない。

本当に楽しみ・・・

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