感想『ANTI ANTI GENERATION:RADWIMPS』君の名は。を経て

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少し前に発売されたRADWIMPSの新しいアルバム。

前作『人間開花』から約2年ぶりの通算9枚目のアルバム。

シングル曲として『サイハテアイニ』『Mountain Top』『カタルシスト』等を収録。

また、ONE OK ROCKのTaka、あいみょんとのコラボ曲もあり。

RADWIMPS

RADWIMPSの事は高校生の時から知っていた。

そして、新曲が出れば積極的に聞いていたバンドの1つだ。

当時から人気はあったが、彼らの人気と知名度を決定付けたのはやはり2016年に大ヒットした映画『君の名は。』の音楽を担当したことだろう。

日本の映画史にも残る程の大ヒットとなった当作をたくさんの人が目にし、たくさんの人がRADWIMPSの音楽を耳にした。

ライブにも一度行った。そして夏フェスでも一度見た。

本人達がどう思っているかはわからないけど、客観的にはまさに全盛期とでも呼ぶべき人気ぶりだ。

そんな彼らが、新しいアルバムを出した。

2年という決して短くはない期間を経て。

期待せずにはいられない・・・

世界の多面性

RADWIMPSもまた、世界の多面性を肯定しているバンドだ。

僕はそう思う。

世界は複雑であり、複雑であるがゆえに美しくもあれば醜くもある。

そんな世界の有り様を肯定している。

そんなバンドだ。

『君の名は。』にあったような世界の美しさを描くような曲。

世界は美しく、素晴らしいものだと思わせてくれるような曲。

しかし、世界には全く異なる別の一面がある。

RADWIMPS はそういった側面からも目を逸らさない。

PAPARAZZI〜*この物語はフィクションです〜

このアルバムで外せないのがこの曲の存在だ。

曲は物語仕立てになっている。

子供が学校で宿題を出される。

テーマは父親の仕事について。

子供の父親は、スクープを報じるパパラッチの仕事をしている。

この曲のは毒っ気たっぷりだ。

でも、RADWIMPSらしいなとも思った。

思い返せば、こういう曲は結構あったような気もしたからだ。

フィクションですという体をとりながらも、この曲には言いたいことがたくさん込められている。

そして、それは直接的に発信することが難しいメッセージだ。

音楽はこういう時に強い。

言いにくいことを音楽に乗せれば成立させてしまうことができるからだ。

悪口でもなく、説教でもなく、あくまで曲として発信することができる。

世界は本当に複雑だ。

このPAPARAZZIという曲の毒気は、成功したがゆえに生まれているものだと考えることもできる。

全ての人がうまく行っていて、幸福な状態なんてことはない。

勝者がいれば、必ずそれよりも多い数の敗者がいる。

敗者は多かれ少なかれルサンチマン的な感情を宿している。

そんな感情が表出した1つの形がパパラッチだ。

うまくいっている人の粗を探し、共有して安心しようとする。

そして、失敗することを心のどこかで願う。

決して健康的ではない。

しかし、それもまた世界のもつ側面の1つなのだろう。

これからも

『君の名は。』でいいイメージがつきすぎたことをどこかで不安に思っていて、それを中和するかのような、このアルバムはそんな印象を受けた。

今年もまた、彼らが音楽を担当する新海誠監督のアニメ『天気の子』が公開される。

予告を見たが、これも恐らく大ヒットする・・・

またRADWIMPSの新しい一面を見ることができるかもしれない。

これからも楽しみすぎる・・・

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