
宇多田ヒカルのアルバム『初恋』
幕張でのライブも参戦してきました(一人で)
『初恋』
宇多田ヒカルの7枚目のアルバム
2018年6月27日に前作『Fantome』から約1年9ヶ月ぶりに発売された。
『あなた』や、『初恋』『Play A Love Song』『大空で抱きしめて』などタイアップ曲も多数。全12曲を収録。
アルバムタイトルは曲の一つである『初恋』をそのままつけられた。
過去のアルバム『First Love』を和訳したものでもある。
宇多田ヒカルは凄すぎる
宇多田ヒカルの曲を全く知らないという人がいるだろうか。
少なくとも日本においては、限りなく少ない。
曲名や歌詞までは知らずとも、自然と何処かで聞いたことがあるに違いない。
そして、宇多田ヒカルの曲たちは日本の音楽界において並外れた圧倒的な存在感を持っている。
宇多田ヒカルが存在しなければ日本の音楽そのものが別のものになっていたのではないかと思えるほどに。
今作の『初恋』も本当にすごい。
そして、全く逃げていない。
純粋に音楽の力というものを信頼し、自分の曲を理解してくれる人たちのことを信頼している。そんな曲たちが並んでいる。
なんの小細工もない。純粋に音楽を聴くことだけで十分だ。
純粋に音楽を聴けば、幸福感を感じることができる。
音楽の才能とは
才能は漠然とした概念だ。
才能があると称えられている人がいたとしても、時代が違えば、文化が違えば認められずに終わることもある。
音楽の才能とはなんだろうか。
たくさんの人が音楽家を志し、ある人は成功し、ある人は日の目を見ることなく消えていく。
音楽ほど移ろいの激しい産業があるだろうか。
普遍的な音楽というものはおそらく定義することはできない。
しかし、普遍的だと思える音楽が存在すると思うことはできる。
そんな音楽はきっと時代を越え、文化を越えていく力を持っている。
宇多田ヒカルの音楽家としての才能はどの程度のものなのだろう。
音楽家としての才能を計る基準はいくつかある。
CD の売り上げや曲の知名度。ファンの多さ。ライブ規模の大きさ。
宇多田ヒカルはその全てにおいてかなら高い次元で実現していると言える。
自分を始めたくさんの人が曲を心待ちにしている。
その歌声を聴きたいと思っている。どんな歌詞を書くのかを楽しみにしている。どんな曲を作るのかを待っている。
『Laughter in the Dark』
宇多田ヒカルがライブをやることとなった。
僕は幕張メッセで行われたライブに参加した。
宇多田ヒカルのライブを見るのは初めてだった。
なぜなら、何年もの間ライブというものをしてこなかったからだ。
ライブでは新しい曲だけではなく、過去の名曲も満遍なく披露された。
感想は満足としかいいようがない。
ライブを見て、宇多田ヒカルという人は本質的には内向的な人なんだなと思った。
ツアーのタイトルもナボコフの小説から取られている。
ライブでは途中芸人の又吉直樹とのショートムービーがあった。
小説家としても活動している又吉さんと通じるものがあるのだろう。
宇多田ヒカルの歌詞は文学的だ。
『傷ついた時僕は、一人静かに内省す』
Play A Love Songという曲はそんな歌詞から始まる。
きっと内向的な人だからこそ生まれた歌詞なんだろうと思う。
内向的な人間には外の世界と繋がるためのツールが必要だ。
宇多田ヒカルは『音楽』という最高のツールを持っている。
そして、才能もあり結果も伴っている。
単純に幸福であるかというとそうではないかもしれない。
しかし、内向的でありながら外の世界とつながるツールを持っているような人は強い。
これからも心に響く音楽を作り続けてくれるに違いない。