
今回は映画『ブラック・クランズマン』
アカデミー賞脚色賞も受賞している話題作。
『ブラック・クランズマン』とは?
2018年にアメリカで公開された犯罪映画。
監督はスパイク・リー
出演はジョン・デヴィット・ワシントン、アダム・ドライバー他。
ロン・ストールワースによって書かれた『Black Klansman』を原作としている。
アカデミー賞では6部門ノミネート。脚色賞受賞。
どんなストーリー?
ロン・ストールワースはアメリカの都市コロラドスプリングスで初めてアフリカ系アメリカ人として初めて警察官として採用される。
初めは資料係として悶々とした警官生活を送っていたロンは、新聞広告で『KKK』のメンバーを募集している広告を見つける。
白人のレイシストになりすまし、接触を試みるロン。
同僚のフリップ(アダム・ドライバー)の力も借り、潜入することに成功するのだが・・・
KKK(クー・クラックス・クラン)とは?
恥ずかしながら僕もこの映画を見るまでは全く知りませんでした・・・。
アメリカに存在する『白人至上主義』を掲げる秘密結社。
主にほく北方人種を至上とし、黒人やアジア人、ユダヤ人など他の人種の市民権に対し異を唱えている。
19世紀のアメリカで設立され、次第に団員を増やしていく。
白装束で頭に三角頭巾をかぶりデモ活動などを行なう。
何度か崩壊しているものの、同じ思想を持つ団体が何度も組織されている。
規模は決して大きくないものの現代においても活動家が存在しているという・・・
映画『ブラック・クランズマン』
物語の主軸となっているのは、黒人警官が白人になりすまし、白人至上主義団体に潜入するという話。
電話口で話を進めていくのは黒人の主人公だが、実際に潜入するのは同僚の白人警官だ。
この映画非常に複雑な映画だ。
実際にあった話でありながらも、全てが現実の通りに作られているわけではない。
映画の冒頭は別の映画の映像で始まる。(『風と共に去りぬ』という映画。知らなかった・・・)
最後にはトランプ大統領が登場する。
そして実際のデモ活動の映像がドキュメンタリー風に流れる。
差別は非常に難しい問題だ。
黒人差別がなくなると、次に差別されるのは白人たちだ。
という言葉が印象的であった。
確かにそうかもしれないなと思った。
黒人を迫害してきたことを誰よりも知っているのは白人たちだ。
そこには少なからず罪悪感情があるはずなのだ。
差別してきたという意識があるからこそ、復讐されるのではないかということを恐れる。
そうなると今度は黒人たちが力を持つこととなってしまう。
世界は複雑だ。
平等は難しい。
そんな世界に生きることを悪くないなと少しでも思える。
この映画はそんな映画になっている。