感想『女王陛下のお気に入り』本当の優しさとは?

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本日紹介するのは『女王陛下のお気に入り』という映画です。

本当の優しさとは一体なんなのだろうか??

映画『女王陛下のお気に入り』とは?

原題『The Favorite』

2018年のアイルランド・アメリカ・イギリスでの合作となる歴史映画。

監督はヨルゴス・ランティモス

主演はオリヴィア・コールマン

他、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルトらが出演

第91回アカデミー賞では9部門10ノミネート(オリヴィア・コールマンは主演女優賞受賞)

どんなストーリー?

舞台は18世紀初頭の英国。

女王のアンと側近であるサラ。そして、新たに宮殿に勤め始めることとなるアビゲイル。

話はこのサラとアビゲイルが女王様の『お気に入り』の座を奪い合う。

側近であるサラは女王のことを思い、身の回りのことをこなしながらも、時には厳しくあたることもある。

対し、アビゲイルは女王の求めていることを求めているように答えていく。

次第に、女王は厳しいサラではなくアビゲイルの方を気に入り始めるが・・・



本当の優しさとは?

映画を観終わった後、本当の優しさとはなんなのだろうと考えさせられた。


厳しくすることと甘やかすこと。

どちらも必要ではあるが、どちらも行きすぎてはいけない。



厳しくしすぎると、そこには信頼関係は育まれない。

この人は自分のことを嫌いなのだろうと不信感の方が強くなってしまう。

かといって甘やかしすぎることも決して本人のためにはならない。

行きすぎてしまうと、いずれ自分では何もできなくなってしまうからだ。


この映画の女王様はその二つの優しさで奪い合われることとなる。

側近であるサラは、女王という人を総べる立場にある人だということをしっかりと考え、時には厳しく接する。

人の上に立つ以上、厳しい決断をしなければならない瞬間もあるからだ。

対し、エマ・ストーン演じるアビゲイルは女王を甘やかし、女王の望むことを叶えるべく行動する。

女王は深い悲しみを抱えている。

子供を亡くし、その数と同じだけのウサギを飼っている。

さらに病気を患っている。

精神的にも肉体的にも不安定な状態である女王は、客観的に見ると『表層的な』優しさを与えてくれるアビゲイルのことを『お気に入り』としていく。


18世紀が舞台の外国の映画でありながら、今の日本にも全然置き換えることのできるようなことを考えさせられた。

人に優しくすることは決して簡単ではない。

その人のことを愛しているがゆえに厳しくすることもあれば、その逆もある。



この映画が高く評価されている理由がなんとなくわかったような気がした。

演技や撮影などの技術的なことは詳しく分からないが、世界中で普遍的なテーマを扱っているのだ。

国や、時代を関係なく人と人とが関わる時の問題として普遍的にあり続けることなのだろう。


そして、この映画の最後・・・

なんとも言えない形で幕を閉じる。

それはぜひ自分の目で確かめてみて下さい。


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