感想『Suchmos THE ANYMAL』 深く深くWATERの底へ

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Suchmosの新しいアルバム『THE ANYMAL』

今までのSuchmosとは少し違います・・・

『THE ANYMAL』

日本のロックバンドSuchmosの3枚目のフルアルバム

2019年3月27日に発売

前作『THE KIDS』から約2年ぶりのアルバムとなる。

本作はCDのみとDVD付きの2形態での発売

先行公開されていた『WATER』、『In The Zoo』を含む全12曲を収録。

12曲全てが新曲となっている。

深く深く内省する

優秀なクリエイターは内向的な人が多い。

0→1の作業を行うにあったって自分自身との深い対峙が必要だからだろう。

先日発売されたSuchmosの『THE ANYMAL』

今までの Suchmosとは異なる音楽たちがそこにはあった。

彼らの曲である『STAY TUNE』や『MINT』、『808』、『VOLT-AGE』

まるで自分のたちの存在を見せつけるかのような『開かれた』音楽たち。

昨年末には紅白歌合戦にも出場し、彼らのことをたくさんの人が知っている。

それに対し、今回の『THE ANYMAL』はどうだろうか。

MVが公開されている『WATER』と『IN THE ZOO』

なんという美しく、幸福感にあふれたMVだろう。

そこにはメンバー以外の人物は登場しない。

閉鎖的な空間で心地良さそうに新しい曲を歌う彼らの姿。

世界からこの空間だけが隔絶されているかのようだ。

今となっては広く名の知れ渡った彼らは、深く深く内省している。

僕はMr.Childrenの最高傑作とも言われる『深海』を思い出した。

今までのMr.Childrenとは少し違っているダークな雰囲気の音楽たち。

世界の複雑さを歌っているかのような曲たちはとても魅力的だった。

こういうバンドは強い

他者からの賞賛は大切なものだろう。しかし、Suchmosの彼らにとっては不可欠なものではないのかも知れない。

気の知れた仲間たちと、好きなように好きな音楽をやる。

聞きたければ聞いてくれればいいけれど、理解を強要することは決してない心地の良い音楽。

思い返してみれば、Suchmosはこの点においては一貫してきているようにも思える。

こういうバンドは強い。深く深く潜ることの快楽を知っている。

そして、それを理解し合うことのできる仲間がいる。

僕らは好きなようにやっていくつもりだけど、君はどうする?

聞きたいのであれば聞いて行ってくれれば構わない。

君も好きにすればいいさ。

そう語りかけてくるかのようだ。

答えはもちろん言うまでもないだろう・・・。

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